FOMCについて

  • マーケットレター
  • 2017年09月
~ 一両年の利上げの想定は変わらず~

10月からバランスシートの正常化を開始

2017年9月19、20日(現地、以下同様)開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、市場予想通り、バランスシートの正常化を10月から開始することが決定されました。具体的には、FRB(米国連邦準備制度理事会)が保有する債券が償還された際、これまでは全額を再投資していたのに対して、今後は一定額を再投資せず、バランスシートを漸次縮小させる方針です。既に6月に明らかにされた手順にのっとり、当初は国債で60億ドル、政府機関債とMBS(住宅ローン担保証券)で40億ドルを月間の縮小額の上限とし、それを上回る償還は全て再投資されますが、上限は3カ月ごとにそれぞれ60、40億ドルずつ引き上げられ、一年後には国債で300億ドル、政府機関債とMBSで200億ドルが月間の縮小額の上限となり、以降はその金額で上限が据え置かれます。イエレンFRB議長は、経済環境が著しく悪化し、ゼロ金利が制約となり利下げで対応できなくなった場合を除き、バランスシートの縮小は方針通り実施し、方針を改めるハードルは高いと発言しました。金融危機後の極めて緩和的な金融政策が淡々と巻き戻されていくことになります。

FOMC参加者の大半が年内の追加利上げを想定

政策金利は市場予想通り据え置かれました。バランスシートの正常化の開始と合わせて、全会一致での決定です。市場にとってサプライズであったのは、声明文もイエレンFRB議長の記者会見での発言も、基本的な見解は6月(前回記者会見が実施されたFOMC)時点とほとんど変わっておらず、FOMC参加者の政策金利の見通しも、2017年については追加利上げなしとの想定が4名のまま変わらず、他の12名が追加利上げを想定していたこと、また、2018年についても2回以下(利上げ幅は各0.25%ポイントとして)の利上げの想定が4名から5名に増えたに過ぎず、他の11名は3回以上の利上げを想定していたことです。市場は年内の追加利上げを十分に織り込んでおらず、年内と合わせて2018年末までに計2回の追加利上げすら十分に織り込んでおらず、当局と市場の想定は大きくかい離したままです。一方で、政策金利の長期見通しは中央値として3%から2.75%へ引き下げられました。これも市場とのかい離はありますが、数年来、徐々に引き下げられてきています。緩和でも引き締めでもなく、経済を安定させるのに中立的な金利水準が低下してきていることが一因です。

年初来のインフレ率の低下は一時的との判断

ハリケーンの影響は景気にも物価にも一時的との判断を示した上で、二つの責務である雇用の最大化と物価の安定を勘案しつつ、緩やかな利上げが正当化されるとのFOMCの見解は不変です。最近数年のインフレ率の低下については、労働市場のたるみ、エネルギー価格の下落、米ドル高を要因として指摘し、しかし、労働市場は引き締まってきており、金融政策の効果が発現するまでのタイムラグも考えれば、利上げを進めていくことが適切とのFOMCとの判断です。また、年初来のインフレ率の低下は一時的要因によるものとし、景気循環的要因ではないとしつつも、今後の経済データを注視し、必要であれば政策方針を改めるのにやぶさかではないとの見解も示しました。

利上げは米ドルの上昇要因

当面はハリケーンの影響で経済データがかく乱され景気の実勢を捉えにくくなること、年初来のインフレ率の低下が必ずしも一時的要因によるものではない可能性、米国の政情や地政学上のリスクなど、不確実性の高い諸要因を考慮すれば、FOMC参加者の想定通りに追加利上げが実施されるかは不透明です。しかし、市場よりも利上げに前のめりなFOMCの姿勢は、米国の債券利回り、ひいては米ドルの上昇要因として働きやすいと考えられます。

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