ブラジル金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年09月
~利下げ継続も今後はペースを鈍化。喫緊の課題への政府の取り組みに期待。~

中央銀行は利下げを継続するも、利下げのペースを鈍化させる見込み

ブラジル中央銀行は9月6日(現地、以下同様)、政策金利を1.00%ポイント引き下げ、8.25%とすることを決定しました。利下げの決定は全会一致で行われました。2016年10月以来の実施分を合わせると合計6.00%ポイントの利下げ幅となります。

今回の決定は大方の市場予想通りの結果となりました。インフレ率(前年比)が中央銀行のインフレ目標の範囲(3%~6%)の下限を下回っており、引き続き物価の伸び率が落ち着いてきていることが利下げの背景です。政治に不透明感はあるものの、景気回復を支援する金融緩和政策は継続となりました。

これまで利下げを継続的に行ってきており、すでに金融政策が緩和的であることなどから、今回のCopom(金融政策委員会)の声明文において、中央銀行は次回の会合で政策金利の引き下げ幅を縮小する可能性を示しました。また、今後は緩和サイクルの終了に徐々に向かっていく可能性についても言及しました。

景気回復の兆しが見え始める中、政府は取り組み可能な構造改革を進める

9月1日に発表された2017年4-6月期GDP(国内総生産)成長率は、9四半期ぶりにプラス成長となった前期から伸び率こそ鈍化したものの、2四半期連続で前期比でのプラス成長を維持し、ブラジル経済の底入れが進んでいることが確認されました。この背景としてはインフレ圧力の後退に加えて、個人消費が10四半期ぶりにプラス成長に転じたことなどが挙げられます。

ブラジルにおいては、政局の不安定さから構造改革の目玉とみられている社会保障改革が停滞しています。ただし、ブラジル政府は、インフラ(社会基盤)事業の民営化や政府系金融機関の貸出金利の適正化を通じて、財政の健全化や取り組み可能な範囲での構造改革を進めています。テメル大統領は8月22日、第28回ブラジル鉄鋼業界会議で「社会保障改革を諦めない」と発言しており、改革を進める意志の強さが引き続き確認されたことから、社会保障改革法案の成立にも期待が持てそうです。

テメル大統領は国民に不人気も海外投資家からの支持は厚い

大手世論調査会社IBOPEが7月に発表した世論調査では、テメル大統領の支持率は5%となり、歴代ブラジル大統領の支持率の中で最低を記録しています。その背景には、テメル大統領自身に汚職疑惑がつきまとう中、財政再建や社会保障改革などの国民にとって痛みを伴う改革を進めようとしていることなどが挙げられます。

今後も、テメル大統領が中心となって進める来年度予算案などの喫緊の課題への取り組みは、ブラジル経済に対する信認改善や利下げによる景気回復と相まって、ブラジル・レアルの下支えになると期待されます。

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