インドのインフレ動向について

  • マーケットレター
  • 2017年09月
~歴史的な低水準の背景と今後の見通し~

食料品価格の低下がインフレ率の低下に大きく寄与

インドでは、2017 年6 月にインフレ率(消費者物価指数の前年同月比の上昇率)が1.46%と歴史低水準を記録しました。2016 年のモンスーン期の降雨量は2014年、2015 年の少雨と比較して平年並みだったことから農業生産が良好となり、2016 年半ばから食料品価格が下がり始めました。さらに、2016 年11 月に発表された高額紙幣廃止策は現金決済を一時的に滞らせたため、現金決済の比重が高い農作物の安売りを招き、食料品価格全体に対して大きな押し下げ圧力となりました。2017 年のモンスーン期の降雨量も平年並みとなる予想で、農業生産は良好と見込まれています。しかし高額紙幣廃止策導入後に発生した、農作物の安売りの影響がなくなるため、今後の食料品価格は前年同月比で見て徐々に上昇すると考えられます。

原油価格の落ち着きもインフレ率の低下に寄与

インドは国内で消費する石油の約80%を輸入に頼っており、消費者物価指数における燃料などの割合が7%程度あるため、世界の原油価格の値動きがインフレ率へ影響を与えます。2017 年は原油価格の落ち着きとインド・ルピーが堅調に推移したことから、原油の輸入価格は安定して推移し、インフレ上昇圧力とならなかったことも、足元のインフレ率の低下に寄与しました。

高インフレ体質からの脱却が中長期的な成長を下支え

インドは高インフレ体質からの脱却をめざし、財政・金融政策でさまざまな取り組みを行っております。2014 年5 月に発足したモディ政権は構造改革を通してマクロ経済の安定的な成長を目指していますが、インフレ要因である財政支出に関しては財政収支目標(対名目GDP(国内総生産))を掲げ、財政規律を重視しながら政策を推進しています。

またインド準備銀行はインフレターゲットを導入しており、政策目標の透明性を高めインフレ期待を押し下げようとしています。これらの政策などによりインドのインフレ率が2012年~13 年のような10%を超える水準になることは想定しづらい状況です。2017 年4 月以降の1~2%台のインフレ率は一時的な押し下げ要因もあり、持続するのは困難と考えますが、インフレ率は中長期的にはインド準備銀行が目標としている4%近辺で推移していくものと考えています。インフレ率が安定して推移すれば、政策金利の引き上げ圧力は高まりにくいと考えます。

現在の政策金利は歴史的に見ても低水準であり、企業が新規の設備投資を行いやすいことや、借り入れコストの軽減を通して企業業績の押し上げが期待できることは株式市場にプラスと考えます。また債券市場では、2%以上の実質金利が期待できるほか、インフレ圧力の高まりに起因した通貨の下落圧力が高まりにくいと考えられることが相場を下支える材料になると考えます。

今後もモディ首相の強いリーダーシップの下、景気と構造改革に配慮した経済政策が期待されるインドは、高成長が期待できる新興国として、長期にわたり有望な投資先であり続けると考えています。

以上

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