インド金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年08月
~市場予想通りの利下げ~~今後もインド経済は堅調さを維持する見通し~

RBIは主要政策金利を0.25%ポイントずつ引き下げ

8月2日(現地、以下同様)に開催された金融政策委員会において、RBI(インド準備銀行)は主要政策金利であるレポ金利を0.25%ポイント引き下げ、6.00%にしました。また、LAF(流動性調整ファシリティ)コリドーについても、上限のMSF(貸付ファシリティ)金利を6.25%に、下限のリバース・レポ金利を5.75%に0.25%ポイントずつ引き下げました。足元のインフレ率がRBIのインフレ目標を下回っていたため、今回の利下げは市場の大方の予想通りでした。

利下げの背景について声明文では、物価上昇要因の一部が縮小したか、または顕在化しなかったことから、経済成長の動向と照らして幾分の金融緩和余地が生じたと説明しました。ただしRBIは、今後のインフレ率が現在の低水準から上昇すると見込むとし、金融政策のスタンスは中立姿勢を維持しました。

金融政策の発表により、株式市場では金融政策の中立姿勢が嫌気され、株価指数は引けにかけて小幅な下落となりました。債券市場では、利下げの影響などから短中期年限の国債金利は低下しました。為替市場について、利下げの影響から一時的に対円で下落する場面はありましたが、その後は値を戻しました。

CPI上昇率はRBIのインフレ目標の下限を下回る

前回6月の金融政策委員会以降に発表された経済指標で当社が注目したのは、7月12日に発表された6月のCPI(消費者物価指数)です。CPIは前年比1.54%の上昇と、RBIのインフレ目標水準4%±2%の下限である2%を下回りました。同指標が前年比で比較可能となった2012年以降の最低水準となりました。

その主因として豆類や野菜類を中心とした食料品・飲料品価格の低下が挙げられます。2016年の不作でそれらの価格が高騰したことによる前年比効果が、足元では物価の押し下げに寄与しています。

なおRBIは、公務員給与の上方改定の影響、GST(物品・サービス税)導入の影響や食料品価格の動向などを考慮し、今後のインフレ率は現在の低水準から上昇すると見込んでいます。

金融緩和による下支え効果もあり、インド経済は堅調さを維持する見通し

RBIは2017年度実質GVA(粗付加価値)成長率見通しについて、年率7.3%成長を維持しています。個人消費の高額紙幣廃止による悪影響からの持ち直しや、銀行の貸出金利の低下、予算執行に伴う景気の押し上げ効果などが、今後の経済成長を促進するとの見方については変更なく、引き続き堅調な経済成長が予想されています。

加えて、7月1日からインド全土で導入されたGSTについては、複雑な間接税体系の簡素化や各州間の物流の円滑化と輸送コストの大幅減を通じて、企業の事業環境は大幅に改善することが見込まれ、投資および輸出増による経済成長率の押し上げ効果が期待されます。

今回の金融緩和による下支えと共に、景気と構造改革に配慮した経済政策が期待されるインドは、今後も高成長が期待できる新興国として、長期にわたり有望な投資先であり続けるとみています。

以上

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