オーストラリア金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年08月
~政策金利は据え置き~~目先の為替市場のテーマは金融政策よりも資源価格~

RBAは政策金利を1.5%に据え置き

2017年8月1日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利を発表し、1.5%に据え置きました。据え置きは事前の市場予想通りでした。

声明文では、オーストラリア経済についての見通しに大きな変更はなく、RBAは年率3%程度の経済成長を見込んでいます。労働市場に関しては、雇用者数は増加しており、失業率も低下が見込まれるものの、賃金上昇圧力は依然として弱いままと言及しました。物価については、経済が成長するにつれて、徐々に上昇してくるであろうとの見通しが維持されています。為替については、通貨高が景気とインフレを予想よりも減速させる可能性があると言及しました。金融政策に関しては、RBAは引き続き中立的な姿勢を維持しており、当面の政策金利据え置きを示唆しました。

CPI上昇率はRBAのインフレ目標の下限を下回る

前回7月のRBA理事会以降に発表された経済指標で当社が注目したのは、7月26日に発表された2017年4-6月期のCPI(消費者物価指数)です。CPIは前年比1.9%の上昇と、RBAのインフレ目標水準である+2~3%の下限を下回りました。

CPIを構成する貿易財と非貿易財の価格を見ると、貿易財価格の伸びが弱いことが分かりますが、これは一過性の要因によるものだと考えています。一方で、非貿易財価格は伸びが加速していますが、当価格に影響すると考えられる賃金の上昇が依然として鈍く、現状では賃金がインフレにとっての大きなドライバーになっているとは言えません。

RBAのロウ総裁は7月26日の講演で、労働市場が堅調であるにも関わらず賃金上昇率が伸び悩んでいる理由について、労働者に占めるパートタイム労働者の割合が上昇している点などを指摘しました。

ロウ総裁の講演からは、堅調な労働市場にもいまだに緩みが残っていることがうかがえます。そのため、当社はRBAが労働市場の改善を促すために政策金利を当面は据え置くと考えています。労働市場の改善が続けば、賃金上昇率の加速を通じて、非貿易財価格を押し上げ、ひいてはCPIの上昇圧力を高めるとみています。

目先の為替市場のテーマは金融政策よりも資源価格

市場では利上げ開始時期について、2018年半ばを見込む声が多く、利上げ開始時期が近くなるまで金融政策は市場のテーマになりにくいと見込んでいます。

最近の豪ドルの上昇は、当社マーケットレター「最近の豪ドルはなぜ上昇しているのか?(2017/7/21)」でお伝えしたとおり、資源価格、特に鉄鉱石価格が大きな要因となっています。金融政策の変更がしばらくないと見込まれる中、金融政策よりも資源価格が為替市場のテーマとなる状況が続くと考えており、資源価格の動向には注意しています。足元では、鉄鉱石価格の反発やその背景にあるとみられる堅調な中国経済が、引き続き豪ドル相場の支援材料になるとみています。

以上

下記のリサーチでは、直近のオーストラリアに関するテーマやその背景などをお伝えしています。

マーケットレター

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。