インド株式市場は業績成長への期待から好調

  • マーケットレター
  • 2017年07月

2014年度~2016年度は天候要因と政策イベントから業績停滞も株価は堅調

インドの主要株価指数であるS&P/BSE SENSEXインド指数(以下、インドSENSEX指数)の1株当たり利益は2014年度から2016年度にかけてほぼ横ばいで推移しました。2014年度、2015年度はモンスーンの降水量が少なかったことから農業生産が落ち込み、インドの人口の約五割を占める農家の所得と消費が減少したことから企業業績にも悪影響が及びました。2016年度はモンスーンの降水量こそ良好だったものの、当局の銀行に対する不良債権処理への取り組み強化、インドIT(情報技術)企業に対する米国ビザ発給の厳格化、高額紙幣廃止策の影響などを受けて期待されたほど企業業績は伸びませんでした。

2017年度は良好な天候と内需の回復から高まる業績拡大期待

2017年7月現在、ブルームバーグが集計しているアナリスト予想では2017年度のインドSENSEX指数の1株当たり利益は過去最高益を更新する勢いで、2018年度にかけて企業業績は大きく拡大する見通しとなっています。

2016年度の決算発表から分析すると、2017年度の業績に関して多くの企業が内需回復を背景とした増益を見込み、明るい見通しを持っていることがうかがえます。内需の回復の背景として具体的には、①政府出による公共投資拡大が民間の設備投資を刺激、②良好なモンスーンによる順調な農業生産と農作物の最低購入価格の引き上げが農家の所得を押し上げ、③公務員の処遇引き上げ、④インフレ見通しの低下に伴う低金利環境などが挙げられ、これらが2017年度から2018年度にかけて消費の増加を促し企業業績の拡大につながると考えられています。

業績の加速期待に加え、中長期的なインドの将来像を買う流れも株価を下支え

インド株式市場は上昇基調を維持しています。企業業績の底入れ期待が好調な株価の一因となっています。インド企業の業績は、2014年度から2016年度の停滞期を脱し、2017年度は増益トレンドへの転換点となる見込みです。加えて、モディ政権が掲げるインフラ(社会基盤)投資や所得増加などの内需拡大策やインド独立後最大の税制改革とされるGST(物品・サービス税)導入など中長期的なインドの未来像を期待した買いも好調なインド株式市場を下支えすると考えられます。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。