カナダ金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年07月
~7年ぶりに利上げ。追加利上げ期待がカナダ・ドルの堅調要因に。~

カナダ銀行は7年ぶりに政策金利を引き上げ

2017年7月12日(現地)、カナダ銀行(中央銀行)は政策金利(翌日物金利の誘導目標)を0.25%ポイント引き上げて0.75%としました。今回の政策金利の引き上げは2010年以来7年ぶりとなります。

カナダ銀行は声明文で、利上げの理由として、最近の経済指標で潜在成長率を上回る成長が続くとの自信が強まったと説明しています。足元のインフレの弱さを認めつつも、それが一時的と判断しています。そして、金融政策が将来のインフレ抑制に効果を及ぼすまでに時間を要することを考慮して、今回の利上げが適切な判断と説明しています。追加利上げのタイミングについては、カナダ銀行のポロズ総裁は会見で、今後の経済指標次第と強調しています。

カナダ経済は、2014年後半からの原油安が同国の主要産業であるエネルギー産業に打撃を与え、悪化しました。そのため、カナダ銀行は2015年に二度の利下げで景気刺激を図りました。最近では原油価格の底打ちや政府の景気刺激策の効果などもあり、2017年1-3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は年率換算で3.7%と高い伸びとなっていました。6月にはポロズ総裁が「2015 年に実施した利下げが役割をおおかた果たした」と述べたことなどから、市場では利上げ予想が大勢を占めていました。

ここ最近の利上げ観測の高まりを受けてカナダ・ドルの上昇が続いていました。今回の利上げ発表後、為替市場ではカナダ・ドルがさらに上昇し、対円では2015年末以来の最高値となりました。カナダ国債金利は短期年限を中心に上昇しました。

金融政策報告書で2017年の成長率見通しを引き上げ

政策金利の発表にあわせて、四半期に一度の金融政策報告書が公表されました。

報告書では足元の経済の強さを反映して、2017年の実質GDP(国内総生産)成長率の見通しが引き上げられました。カナダ銀行はその背景として民間消費や住宅市況の強さ、資源部門への投資の回復を挙げています。

一方、2017年のインフレ見通しは引き下げられたものの、2018年以降はインフレの目標値である2%以上になると想定されています。声明文で言及された通り、カナダ銀行は足元のインフレの弱さが一時的と判断しているといえます。

そのため、当社では、カナダ銀行の利上げが今回だけの措置ではなく、近い将来に再度行われる可能性が高いと考えています。

NAFTA再交渉の本格化はかく乱要因だが、追加利上げ期待がカナダ・ドルの堅調要因に

前回のマーケットレター「カナダをめぐる最近の三つの材料」でお伝えした通り、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の本格化はカナダの金融市場全般にとって、かく乱要因と考えています。NAFTA再交渉は早ければ8月半ばに開始される予定ですが、米国側から保護主義的な措置が提示される可能性があります。ただ、米国のトランプ政権としても今回の再交渉の目的は25年前に合意された内容の「現代化」としており、カナダのフリーランド外相も、「カナダはNAFTAの『現代化』に向けた再交渉の準備ができている」と前向きな姿勢を示しています。

NAFTA再交渉は金融市場をかく乱させる可能性がありますが、金融市場の混乱は一時的にとどまるとみています。一方、最近の経済の強さや、将来のインフレの高まりなどから追加利上げ期待は高いとみています。この追加利上げ期待がカナダ・ドルの堅調要因になると考えます。カナダ国債金利については、短期年限を中心に上昇しやすい展開を見込みます。

以上

下記のリサーチでは、直近のカナダに関するテーマやその背景などをお伝えしています。

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