オーストラリア金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年07月
~政策金利は据え置き~ ~移民による人口増加を背景に長期的な経済成長を見込む~

RBAは政策金利を1.5%に据え置き

2017年7月4日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利を発表し、1.5%に据え置きました。据え置きは事前の市場予想通りでした。

声明文の内容について、前回発表分と大きな変更はありませんでした。RBAはオーストラリア経済について、引き続き緩やかな成長を見込んでいます。労働市場に関しては、賃金上昇圧力は依然として弱いものの、雇用者数は順調に増加していると言及しました。物価については、経済が成長するにつれて、徐々に上昇してくるであろうとの見通しが維持されています。金融政策に関しては、RBAは引き続き中立的な姿勢を維持しており、当面の政策金利据え置きを示唆しました。

移民による人口増加を背景に長期的な経済成長を見込む

ここで、前回のRBA理事会以降に発生したイベントや経済指標の中で、当社が特に注目した材料について振り返ります。今回は『2016年国勢調査』についてです。

6月27日、2016年国勢調査の集計結果が公表され、オーストラリアの人口は前回調査の2011年から増加し、約2,340万人となりました。人口増加の背景には「多文化主義国家」として知られるオーストラリアが歴史的に多くの移民を受け入れていることが挙げられ、オーストラリア国外生まれの人口が全体の約26%を占めました。その出生地別では、中国やインドなどのアジア系移民が欧州系移民を初めて上回り、オーストラリアの近隣であるアジアとのつながりが強まっているようです。

また、移民を含めた人口の流入地域は主に都市部(メルボルンやシドニー等)となっている傾向にあり、最近、都市部で住宅価格が上昇している背景の一つになっています。しかし、前回のレター「オーストラリア金融政策(2017年6月)」でお伝えした大規模なインフラ(社会基盤)投資計画の中で予定されている鉄道建設などは、通勤圏の広がりにつながることが期待され、過熱する住宅価格の抑制効果になるとロウRBA総裁は見込んでいるようです。

オーストラリア経済では、資源ブームの終えん後も、政府が進めるインフラ投資などにより、非資源部門が成長エンジンとして寄与することが期待されています。インフラ投資計画の実現後は通勤圏が広がり、都市部の住宅価格が落ち着き、人口の流入先が増えることから経済圏の一層の拡大が見込まれます。また安定した人口増加は、労働力人口の減少や社会保障負担の増大といった高齢化問題を抑制する効果があることから、将来にわたって安定的な経済成長が促進されると考えています。

物価上昇圧力が高まれば豪ドル相場の押し上げに

オーストラリア政府の新年度予算案に盛り込まれたインフラ投資計画によると、移動時間の短縮や輸送コストの削減、生産性の向上などから企業の競争力の向上が見込まれ、ひいては内需の拡大につながると考えています。また、継続的な人口増加が見込まれるものの、インフラ投資の拡大が雇用を創出することから、労働市場のひっ迫感が強まり、賃金の上昇圧力が高まっていくと予想します。こうした経済成長や賃金の伸びを受けた物価上昇圧力の高まりは、RBAが利上げ時期を前倒しするという観測を通じて、豪ドル相場の押し上げ要因になると考えています。

一方、オーストラリア国外の経済環境に目を向けると、オーストラリアから地理的に近く、交易上の結びつきが強い中国について、RBAはインフラ投資と不動産投資の伸びが経済成長を支えているとの認識を示しています。引き続き中国経済が堅調に推移すれば、豪ドル相場を下支えする材料になるとみています。

以上

下記のリサーチでは、直近のオーストラリアに関するテーマやその背景などをお伝えしています。

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