J-REITのファンダメンタルズは堅調、値固めを経て徐々に見直しへ

  • マーケットレター
  • 2017年06月

足元、J-REIT市場はレンジ圏内で弱含んで推移も、各社を取り巻く事業環境の堅調さに大きな変化はない

J-REIT市場は本格的な調整局面には至っていないものの、レンジ圏内で弱含んで推移しています。J-REIT各社を取り巻くファンダメンタルズの堅調さに大きな変化はないため、市況の軟調推移の背後に何か決定的な材料があるとはみておりません。ただ、米国の追加利上げ観測をはじめとして、海外を中心に中期的な金利上昇への警戒感が強まっていることや、年初来で見るとJ-REIT各社によるエクイティ・ファイナンスが比較的活発な時期があったこと、投資信託からの資金流出傾向などが背景にあると思われます。

堅調な事業環境と低位安定した国内長期金利からJ-REIT市場の割安感は強い

J-REIT市場は、目先の需給動向に加えて、内外の金融政策など外部環境をにらみつつ当面神経質 な動きとなる可能性もありますが、徐々に落ち着きを取り戻していくとみています。

背景としては、オフィス・ビル空室率の低下や、それに伴う賃料の緩やかな上昇の継続などファンダメンタルズの改善傾向に変化はないことから、急速な業績悪化によるバリュエーション面での割安感の喪失という展開は考えにくい状況があります。

したがいまして、積極的に上値を追う材料に欠ける状況ではありますが、長期金利が大きく上昇することなどがない限り、相対的に高い配当利回りを安定的に期待できるJ-REITに対する見直し機運が高まっていくと考えています。国内の長期金利についても、日銀が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の下で長期金利操作目標をゼロ%程度としており、過度な金利上昇に対しては、国債買い入れの増額や指値オペの実施などで対応すると見込まれるため、おおむね横ばいで推移すると考えます。加えて、一時期懸念が高まっていた欧州の政治状況や朝鮮半島の地政学リスクなどは、足元で小康状態となっているため投資家のリスク回避姿勢も徐々に和らぎ、J-REIT市場を下支えする効果も期待されます。

以上

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