メキシコ金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年06月
~利上げは今回で打ち止めを視野に。今後はNAFTA再交渉の行方に注目。~

政策金利は0.25%ポイントの追加利上げ。先行きの金融政策は利上げ打ち止めを視野に。

メキシコ銀行(中央銀行)は、6月22日(現地)、政策金利を市場予想通り0.25%ポイント引き上げ、7.00%とすることを決定しました。メキシコ銀行は、利上げの理由として、インフレ期待の上昇を防ぐことや、6月にFRB(米国連邦準備制度理事会)も利上げを行っており、メキシコと米国の金利差を考慮する必要があったことなどを挙げました。

ただし、先行きの金融政策については、メキシコ銀行は中立的な姿勢に転じたことを示唆しました。メキシコ・ペソが買い戻されていることや、これまで断続的に行ってきた利上げによって中長期的なインフレ期待が落ち着きを取戻していることが背景にあるとみられます。今回、投票メンバーの1人が政策金利の据え置きを支持したことからも、メキシコ銀行の政策姿勢が中立に傾いていることが読み取れます。

金融市場は、金融政策姿勢の中立化を受けた反応。

メキシコ銀行の利上げは市場予想通りの結果でしたが、金融政策姿勢の中立化を示唆したことから、メキシコ・ペソは下落しました。今後の利上げ打ち止めが視野に入ったことを好感し、国債金利は低下(債券価格は上昇)し、株価指数は上昇しています。

今後は、金融市場は不透明感がくすぶり続けるNAFTA再交渉の行方に注目。

今後、メキシコの金融市場に影響を与える材料としては、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉およびメキシコ政府の構造改革などが挙げられます。

NAFTAの再交渉は8月以降の開始が予定されており、その目的は1994年に発効したNAFTAを時代の変化に対応した内容に見直すことを目指すものとされています。メキシコにとって最大の輸出相手国である米国がすでに保護主義的な姿勢を強めていることから、交渉次第ではメキシコの輸出産業が打撃を受けかねないほか、メキシコへの進出を検討している海外企業の直接投資が停滞する恐れがあり、その動向には注視していく必要があると考えています。

一方、メキシコ政府は原油依存からの脱却をめざす構造改革に取り組んでいます。中でも重要なエネルギー改革において、6月に発表された油田入札の結果では、参加する民間企業が多く、メキシコのエネルギー産業のさらなる発展の可能性が高いことが示されています。


為替市場においては、NAFTA再交渉への不透明感はくすぶり続けると考えられます。状況によりメキシコ・ペソの下落につながる局面があったとしても、メキシコ・ペソ安が輸入物価の上昇につながることを懸念しているメキシコ銀行による為替介入などにより、市場の安定化が図られるものとみています。2016年11月の米国大統領選挙以降、トランプ大統領が示したメキシコに対する政策を背景にメキシコ・ペソは対米ドルで急落したものの、足元では買い戻しの動きが継続しています。

債券市場においては、NAFTA再交渉の進展に伴うメキシコ・ペソの動向や、メキシコ銀行の政策金利に対する姿勢に左右されるものとみています。

株式市場においては、NAFTA再交渉の行方次第という面はありますが、メキシコ政府の構造改革により、経済成長や財政の健全化を通じた信用力の向上も期待でき、堅調に推移するとみています。特に好調な企業業績を背景に株式市場の上昇トレンドは継続することが期待されます。

以上

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