FOMCの利上げについて

  • マーケットレター
  • 2017年06月
~ 鍵を握る物価動向~

0.25%ポイントの利上げ、政策金利の見通しは実質的に不変

2017年6月13、14日(現地、以下同様)開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、FOMCの責務である雇用の最大化と物価の安定を展望しつつ、市場予想通り0.25%ポイントの利上げが決定されました。今回の利上げ局面では2015年12月、2016年12月、2017年3月に続く4度目の利上げで、政策金利であるフェデラルファンド金利は1~1.25%に達しました。FOMC参加者の2019年までの政策金利の見通しも、実質的に前回(3月)の見通しとほぼ変わらず、中心値として、2017年はあと0.25%ポイントの利上げで計0.75%ポイントの利上げが、2018、2019年もそれぞれ計0.75%ポイント程度の利上げが見込まれています。

バランスシートの縮小を年内に開始する方針

FRB(米国連邦準備制度理事会)のバランスシートの縮小の方針も公表されました。現在はFRBが保有する証券が償還されると、すべて再投資されていますが、バランスシートの縮小が決定されれば、毎月一定額を超える償還についてのみ再投資されることになります。上限としての一定額は、当初、国債については60億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)と政府機関債については計40億ドルとし、いずれも3カ月毎に引き上げ、それぞれ300億ドル、200億ドルに達すれば、その金額で据え置かれる方針です。決定は年内間もなくとされ、早ければ9月にも決定されることになります。利上げと合わせて、金融危機後の著しく緩和的な金融政策の正常化が進む見通しです。

労働需給のひっ迫が物価上昇圧力を高めるかに注目

FOMC参加者の経済見通しについては、GDP(国内総生産)成長率は前回とほぼ変わらず、2017~2019年にわたって10-12月期の前年同期比で2%前後の見通しです。失業率は2018、2019年とも10-12月期の平均値として前回は4.5%の見通しでしたが、既に4.3%まで低下している現状を踏まえて、両年とも4.2%へ改められました。インフレ率は2017年こそ10-12月期の前年同期比で前回の1.9%から1.6%へ下方修正されましたが、2018、2019年は2%に達する見通しです。すなわち、景気は緩やかに拡大し、完全雇用に近い状態で、インフレ率も早晩目標値に回帰するとの見通しです。インフレ率はこの日公表された5月分の消費者物価指数を含め、最近下振れしていますが、イエレンFRB議長は特殊要因での一過性の事象と見なしており、市場の過度な反応をけん制しました。しかし、声明文中で「FOMCはインフレの動向を注視している」と記され、議長会見でも低インフレの継続への懸念が垣間見られた点には留意すべきと思われます。利上げもバランスシートの縮小も、経済がFOMCの見通しに沿って展開すればとの前提条件付きですが、市場はFOMCとは対照的にインフレ率の上昇に懐疑的と思われ、それを映じて、米国の10年国債利回りは3月半ばをピークに低下基調にあり、連れて米ドルも下落しています。教科書通りに、労働需給のひっ迫が賃金、物価の上昇圧力を高めるかどうかが、当面の最大の注目点になりそうです。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。