オーストラリア金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年06月
~政策金利は据え置き~ ~インフラ投資をエンジンに成長持続へ~

RBAは政策金利を1.5%に据え置き

2017年6月6日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利を発表し、1.5%に据え置きました。据え置きは事前の市場予想通りでした。

声明文においてRBAは、オーストラリアの主要輸出品である鉄鉱石や石炭の価格が足元で調整しているものの、これは予想通りであり、全般的な景気は良好であるとしています。労働市場に関しては、賃金上昇圧力は依然として弱いものの、雇用者数は順調に増加していると言及しました。物価については、経済が成長するにつれて、徐々に上昇してくるであろうとの見通しが維持されています。金融政策に関しては、RBAは引き続き中立的な姿勢を維持しており、当面の政策金利据え置きを示唆しました。

政府は新年度予算案を発表~インフラ投資をエンジンに成長持続へ

ここで、前回のRBA理事会以降に発生したイベントや経済指標のなかで、当社がとくに注目した材料について振り返ります。今回は、『新年度予算案』についてです。

5月9日、オーストラリア政府は2017-18年度(2017年7月~2018年6月)の予算案を発表しました。

予算案では、2017-18年度の財政収支は294億豪ドルの赤字とされ、前年度から赤字幅が縮小する見込みとなっています。また、2020-21年度には財政収支は黒字化する見込みとなっており、政府の財政健全化路線は堅持されています。

今回の予算案では、政府はさまざまな施策を通じて成長の促進をめざしています。とりわけインフラ(社会基盤)投資の拡大を大きな柱としており、政府は2017-18年度からの10年間で750億豪ドルをインフラ投資にあてることを発表しました。

インフラ投資の一例としては、メルボルン-ブリスベン間の内陸鉄道計画への84億豪ドルの追加出資があります。この計画では、1,700kmに及ぶ鉄道の新設および改修が予定されています。鉄道網の建設等に伴う雇用の創出や成長の押し上げとともに、貨物輸送を自動車から鉄道に移行すること による高速道路の渋滞緩和や炭素排出量の削減などが期待されています。

こうした成長促進策によりオーストラリア経済を押し上げることで、政府は25年にわたって続いている経済成長をさらに持続させることをめざしているとみられます。オーストラリアでは資源ブームの終えん後、成長エンジンが資源部門から住宅投資などに移行しました。インフラ投資の促進により、非資源部門への成長エンジンのバトンタッチがさらに進めば、オーストラリアはよりバランスのとれた経済成長を享受することができると期待されます。

インフラ投資の好影響が波及すれば、豪ドル相場を押し上げる一因に

今回の予算案に盛り込まれたインフラ投資の拡大が雇用を創出し、労働市場のひっ迫感が強まれば、賃金、ひいては物価の上昇圧力が高まってくると考えられます。物価上昇圧力の高まりは、RBAが利上げ時期を前倒しするという観測を通じて、豪ドル相場の押し上げ要因になると考えています。

また、インフラ投資により、輸送コストの削減や生産性の向上がはかられれば、企業の競争力の改善や家計消費の活発化につながると考えられます。こうしたインフラ投資の経済への好影響はオーストラリア経済の体力の底上げにつながり、長期的にも豪ドル相場にとってプラスになるとみています。

以上

下記のリサーチでは、直近のオーストラリアに関するテーマやその背景などをお伝えしています。

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