メキシコ中央銀行は政策金利を引き上げ

  • マーケットレター
  • 2017年05月
~物価上昇への対応が続く~

中央銀行は追加利上げを行い、物価上昇に対応

メキシコ中央銀行は5月18日(現地、以下同様)、政策金利を0.25%ポイント引き上げ、6.75%とすることを決定しました。利上げの決定は全会一致で行われました。2015年12月以来の実施分を合わせると合計で3.75%ポイントの利上げ幅となります。

中央銀行は声明文で、直近のインフレ率が上昇し、中長期的なインフレ予想に悪影響を与えるおそれがある、と今回の利上げの理由についてあげています。

債券市場では金利が上昇

中央銀行は、今後の会合でも利上げを継続する可能性を示唆しています。市場では、政策金利は2017年末に7.0%程度になると見込まれています。これまで利上げサイクルが継続していたため、国債金利は上昇傾向にありました。

今回の金融政策決定会合では、利上げ予想よりも据え置き予想の方が多かったため、今回の決定はややサプライズとして受け止められました。そのため、利上げを発表した5月18日のメキシコ・ペソの国債相場は、全般的に金利が上昇しました。

外国企業の直接投資動向に注目

メキシコ・ペソの動向に影響を及ぼす要因の1つとして、海外からメキシコへの直接投資があります。米国との通商政策に先行き不透明感がある中、外国企業のメキシコに対する投資動向に注目しています。なお、トランプ政権は5月18日、議会に通知し、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉に向けた手続きを開始しました。8月以降にメキシコ、米国、カナダとの間で交渉が始まる予定です。

現状では、米国の通商政策等の動向が不透明であり、状況によりメキシコ・ペソが急に売られる局面もあり得ますが、中央銀行はそのような動きに対しては、為替介入を行うなど、市場の安定化を図ることも予想されます。また、中央銀行は、メキシコ・ペソ安が輸入物価の上昇につながることを懸念しており、インフレを抑制させるための利上げの継続はメキシコ・ペソの下支え材料となります。

一方、メキシコ政府は、プライマリー収支の黒字をめざすなど財政健全化姿勢を維持しているため、原油依存からの脱却をめざす構造改革の進展と併せ、メキシコ・ペソはファンダメンタルズに照らして適正な水準で推移するものとみています。

以上

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