ブラジル大統領の汚職隠ぺい疑惑と今後の注目点

  • マーケットレター
  • 2017年05月

大統領の汚職隠ぺい疑惑が報じられる

現地紙は17日(現地時間、以下同様)夜、大手石油会社の汚職事件をめぐり、テメル大統領が、自身の汚職隠ぺいのため、クーニャ前下院議長宛の口止め料の支払いを承認していたと報じました。汚職事件への関与が疑われるブラジル食肉加工会社の会長が、司法取引に応じて最高裁判所に会話の録音テープを提出したことで明らかになったと報道されています。

大統領府の報道室はこの疑惑を強く否定する声明を発表し、「テメル大統領が、クーニャ前下院議長の発言を抑えるために口止め料の支払いを求めたことは断じてない。大統領はメディアで伝えられている疑惑の真相を広範かつ詳細に探る調査を妨げない。」とコメントしています。

市場は財政再建の先行きを懸念して下落

今回の報道を受けて、18日のブラジル金融市場は大きく下落しました。

株式市場の代表的な指数であるボベスパ株価指数は、約8.8%下落しました。

また債券市場では、10年国債の金利は、約1.76%ポイント上昇(価格は下落)しました。

テメル大統領は、財政再建にとって最も重要とされる年金改革を主導しており、年金改革法案は5月下旬には下院本会議で審議・採決される予定となっています。

事前の報道では、同法案は賛成多数で可決される見込みとなっていたことで、足元のブラジルの金融市場は堅調に推移していました。

今回のテメル大統領の疑惑報道により、下院本会議における審議が進まない懸念や、採決が延期される可能性が浮上してきました。

最重要法案の先行きに暗雲を投げかけるニュースで、ブラジル金融市場は動揺し値動きが大きくなったと推察されます。

財政再建の姿勢が維持されるかに注目

ブラジルの年金給付は、歳出予算の4 割超を占めており、年金給付の伸びを抑制するための年金改革法案は、財政再建の要となっています。同法案の成立には、上下両院において議員の5分の3の賛成(下院308議席、上院49議席) が条件となっています。下院で行なわれる年金改革法案の採決は、ブラジル政府の財政再建の意思が揺るがないものかどうかを確認する試金石として注目されます。

今回の疑惑報道により、一部の与野党の議員が大統領の弾劾を議会に請求するなどの動きはあるものの、現時点でテメル大統領の政権運営への影響は不確定な部分が多く、今後の進展を見守る必要があると考えています。当社といたしましては、状況に変化や進展がみられ次第、随時、情報提供を行って参ります。

以上

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