オーストラリア金融政策

  • マーケットレター
  • 2017年05月
~政策金利は据え置き。将来の利上げ時期が早まる可能性。~

RBAは政策金利を1.5%に据え置き

5月2日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利を発表し、1.5%に据え置きました。据え置きは事前の市場予想通りでした。

声明文では、ここ数カ月の雇用統計の結果を受けて労働市場に対する見方を上方修正しました。また、物価動向についても、RBAの想定通りにCPI(消費者物価指数)が上昇してきていることを指摘した上で、経済環境次第では、さらなる上昇圧力がかかっていく可能性があるとの見方を示しまし た。ただし、RBAは引き続き金融政策に対して中立的な姿勢を維持しており、当面の政策金利据え置きを示唆しました。

CPI上昇率はRBAのインフレ目標水準に回帰

ここで、最近発表されたオーストラリアの経済指標を振り返っておきたいと思います。

4月のRBA理事会以降に発表された経済指標で当社が注目したのは、4月26日に発表された2017年1-3月期のCPIです。CPIは前年比2.1%の上昇と、RBAのインフレ目標水準である+2~3%に戻りました。これは2014年7-9月期以来のことです。

当社ではさらに、CPIを構成する貿易財と非貿易財の価格に注目しました。貿易財と非貿易財の価格を見ると、足元のCPIの加速の背景には非貿易財価格の伸びがあることがわかります(図表:オーストラリアのCPIの推移)。

非貿易財には医療や教育、金融サービスなどが含まれますが、その価格は一般に賃金の動向の影響を受けやすいと言われており、非貿易財価格の伸びは、労働市場が徐々に引き締まりつつある兆候を示すものだとみています。

物価上昇圧力が高まれば将来の利上げ前倒し観測を通じて豪ドル相場の押し上げ要因に

RBA理事会の声明文では、持続性のある経済成長とインフレ目標を達成するため、RBAは現在の政策金利を維持することが適切だと判断していることがうかがえます。

しかしその一方で、労働市場の改善が賃金を上昇させ、比較的早い段階でCPI上昇率がインフレ目標水準に定着する可能性があることを、先日発表されたCPIの結果は示していると考えています。

市場では利上げ開始時期について、2018年半ばを見込む声が多い状況ですが、CPIが想定より早く上昇した場合には利上げ開始時期の前倒し観測が強まり、豪ドル相場を押し上げる要因になるとみています。

以上

下記のリサーチでは、直近のオーストラリアに関するテーマやその背景などをお伝えしています。

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