トルコ4月金融政策委員会

  • マーケットレター
  • 2017年04月
~中央銀行はインフレ見通しの悪化を懸念~

3月に続き、後期流動性貸出金利のみを引き上げ

4月26日(現地、以下同じ)に開催された金融政策委員会では、1週間物レポ金利やコリドーの上下限金利は据え置かれたものの、3月に引き続き、後期流動性貸出金利については0.50%引き上げ12.25%とすることが決定されました。トルコ中央銀行は、1月中旬より、従来主要な流動性供給手段であった1週間物レポ金利や翌日物貸出金利での資金供給を制限し、後期流動性貸出金利での貸し出しに誘導することで、市場金利を引き上げる政策を採ってきました。事前の市場予想では意見が割れていましたが、約半数は、後期流動性貸出金利の引き上げを見込んでいました。

必要なら一段の金融引き締めも

声明文では、2016年11月以降の通貨安などによる価格上昇圧力や食料品価格の変動が最近のインフレ率の加速要因となっており、足元の高いインフレ水準が強気の価格設定姿勢に繋がるリスクを指摘しました。こうした環境を受け、中央銀行はインフレ見通しの悪化を抑えるために金融引き締めを強化することを決定したとしました。また、必要ならば一段の金融引き締めを実施するとし、引き締め的な金融政策姿勢はインフレ見通しに大きな改善が見られるまで継続する旨も示されました。

足元のトルコ金融市場は堅調に推移

金融政策委員会の決定を市場は好感し、26日の債券市場では長期中心の金利低下となり、トルコ・リラについては対円、対米ドルで上昇する局面もありましたが、前日比で見るとほぼ横ばいでの推移となりました。

足元のトルコ金融市場は、16日に行われた大統領権限拡大などを含む憲法改正の是非を問う国民投票で、憲法改正賛成派が接戦ながら勝利したことを受けて政治的不透明感が後退しており、堅調な推移となっています。

2016年のトルコ経済はクーデター未遂事件による混乱や治安悪化に伴う観光業の不振などを背景に減速しましたが、2017年はユーロ圏の成長加速やロシアとの関係改善などを背景に緩やかな回復基調にあると考えています。2011年にトルコ政府は、建国100周年を迎える2023年までに経済規模で世界10位に入ることなど、意欲的な目標をVision2023として発表しています。今後、さらに影響力を拡大したエルドアン大統領は、強力なリーダーシップの下、さまざまな構造改革を断行し、トルコの経済発展を推進していくことが期待できます。

以上

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