インドは主要政策金利の据え置きを決定

  • マーケットレター
  • 2017年04月

RBIは主要政策金利を据え置き

4月6日(現地)に開催された金融政策決定会合において、RBI(インド準備銀行)は、主要政策金利であるレポ金利を6.25%に据え置きました。RBIは将来的なインフレ圧力の上昇を警戒しつつも、足元のインフレ率がRBIの目標範囲内に収まっていることから、政策金利の変更には至りませんでした。

またRBIは、政策金利コリドーに関して、下限となるリバース・レポ金利の引き上げと、上限となるMSF(限界常設ファシリティ)金利の引き下げを行ない、政策金利コリドーの幅を縮小しました。この措置は、政策金利が複数存在する現状の金融政策の枠組みから、レポ金利の指標性を高めて単一の政策金利に基づくシンプルな金融政策運営へと移行する動きの一環とみられます。

物価見通しは小幅に引き上げられ、インフレへの警戒感を強化

RBIは今回の金融政策決定会合の声明文において、物価見通しを小幅に引き上げ、2017-18年度前半の見通しは4.5%(前回は4.0~4.5%)、2017-18年度後半の見通しは5.0%(前回は4.5~5.0%)となりました。引き上げの理由としてRBIは、GST(物品・サービス税)の導入やモンスーン期の農産物価格の上昇、公務員の給与引き上げなどを挙げています。高額紙幣廃止がインド経済に悪影響を与えるとの見方もありましたが、実際のインド経済は堅調さを維持しており、当面はインフレ圧力の高まりが続きそうな状況です。

このようにRBIはインフレへの警戒感を強めており、モンスーン期に一定以上の降雨量が確認できるまでは、慎重な金融政策運営を維持するものと考えられます。しかし、インフレの抑制を主眼とした政策運営を続けていることは、インドの金融政策への信頼性を高めることにつながり、中長期的にはインド・ルピーにとってもプラスの要因になると考えられます。

堅調な経済成長が継続

RBIのGVA(実質粗付加価値)成長率見通しは、2016-17年度の年率6.7%から、2017-18年度には年率7.4%へと上昇する見込みとなっており、引続き堅調な経済成長が期待されています。また、モディ首相は先般の州議会選挙で大勝を収めるなど政権基盤を一段と固めており、同首相による構造改革は今後も着実に進展する可能性が高く、インドの経済ファンダメンタルズは一段と強固になると当社は考えています。

今後の見通し

モディ首相の強いリーダーシップの下、景気と構造改革に配慮した経済政策が期待されるインドは、今後も高成長が期待できる新興国として、長期にわたり有望な投資先であり続けるとみています。

米国の金融政策やトランプ大統領の打ち出す政策、また欧州の政治動向が金融市場へ与える影響には注意が必要です。しかしながら、インドは改革が進めば成長余地が大きく、ファンダメンタルズと政策の両面から、中長期の経済成長期待がインド・ルピー相場を支える材料となります。

以上

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<インド門>

インド門はイギリス領インド帝国の時代にインドのムンバイに建てられた記念建造物。英国王(インド皇帝)ジョージ5世夫妻の来印を記念して1911年に建てられた。現在は、ムンバイ観光のメインスポットとして多くのインド人、外国人観光客が集まる。

(大和投資信託撮影)

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