米国優先リート市場の直近の状況と見通し

  • マーケットレター
  • 2017年02月

※当資料は、コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インクのコメントを参考にして大和投資信託が作成したものです。

米国優先リート市場の直近の状況

11月8日(現地)の米国大統領選挙以降、米国優先リート市場はトランプ新政権下で減税やインフラ(社会基盤)投資などを主軸とした成長政策によって景気が拡大し、物価が押し上げられるとの思惑が膨らんだことや、長期金利が上昇傾向をたどったことなどを背景に急速に調整色を強めました。しかしその後は、金利上昇が一服し債券市場が狭いレンジ内で比較的落ち着いた動きを見せる中、投資家の税金対策のための売りが一巡したことや、優先リートの相対的に大きな対国債スプレッド(利回り格差)の魅力、ならびにトランプ新政権による法人減税や規制緩和、財政支出の拡大が見込まれる中で米国商業用不動産市場の先行きについても楽観的な見方が強まったことなどを背景に、緩やかながらも反騰局面が続いています。

なお、普通リートとの値動きを比較すると(過去半年)、大統領選挙直前までは利上げが近づきつつあるとの観測から普通リートが軟調に推移する中で、優先リート市場は利回りが下支えとなり比較的底堅い推移となっていることが見て取れます。その後、金利上昇リスクを意識する投資家の売り圧力の強まりなどを背景に普通リートのパフォーマンスを下回る局面も見られたものの、12月半ば以降は安定的に戻り局面が続き、通期でも普通リートを上回るパフォーマンスとなっています。これは投資家が優先リートの安定的なインカムゲインや利回り面の魅力を再評価している傾向を反映しているものと思われます。

今後の米国優先リート市場の見通し

米国債券市場については、引き続きトランプ新政権の政策動向に左右される展開が続くとみられます。減税やインフラ投資などの経済政策が具体化すれば、一段の金利上昇を促す可能性もありますが、米ドル高による景気への悪影響から当局者のけん制発言が見られた場合は、金利の上昇が抑えられることも予想されます。

米国リート市場については、好調な商業用不動産市場を背景とした保有物件のキャッシュフロー成長やリート各社のバランスシートの改善が支援材料となるとみられます。特にインフレ率の上昇や減税はリートの収益にプラスとなるほか、インフレヘッジ資産としての不動産価格の上昇を招き、ひいては不動産価格や賃金・工賃などの上昇によって物件の新規供給を抑制する効果をもたらすことから、不動産市場の需給ひっ迫が進むことに加え、リートが保有する物件の賃料上昇をもたらすものと予測されます。

そういった中、優先リート市場は引き続き、好調な商業用不動産市場を背景としたリート各社の継続的なキャッシュフロー成長やバランスシートの改善が支援材料となるほか、相対的に高い配当利回りやクレジットの改善期待、ならびに対国債利回りでのスプレッドなどが下支えとなる展開を予想しています。金利上昇リスクに留意する必要はあるものの、相対的に高いインカム水準を誇る優先リートは、トータルリターンの観点から投資家にとって引き続き魅力的な資産クラスの一つとなると考えられます。

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