ファンドマネージャーの運用ノート※ 資源価格反発と保護主義の台頭からオーストラリアの魅力が高まる環境へ

  • ファンドマネージャーの現地訪問記
  • 2017年02月

オーストラリア本来の強みは、「資源」、「若さ」、「ロケーション」

2000年代前半は、グローバル化が世界に浸透するとともに資源へのニーズが高まりました。当時、若い人口動態から国内インフラ(社会基盤)投資ニーズが高く、かつ資源輸出が増加したオーストラリアへの投資が活発化しました。

その後、オーストラリア・ドルは商品価格下落に苦しむ場面が続きましたが、現在は良好な環境に戻りつつあります。「資源国」であり「人口動態が若い」というオーストラリアの強みが、再び見直される可能性があるとみています。

また、ここもとは保護主義への懸念も強まっています。アジアに立脚するオーストラリアを組み入れることで、投資地域の分散を高めることも有効と考えます。

資源・・・今後は国内産業への波及効果が期待される

昨年来、資源価格が反発局面に入っており、オーストラリアの主要輸出資源である鉄鉱石や石炭は値上がりしました(図表1)。現在も、中国の商品需要が落ち込むとの不安が後退し、先進国での財政拡大期待が高まっています。資源ビジネス環境の好転を背景に、今後はオーストラリアの企業収益や投資活動も改善が見込まれます(図表2)。

若さ・・・実物資産投資や債券投資との相性が良い

オーストラリアは先進国の中でも人口動態が若く、長期的にも人口増加率が横ばい程度で維持されると予想されています(図表3)。すなわち、オーストラリアは潜在成長率が高く、常に一定のインフラ投資ニーズがある国といえます。

したがって、オーストラリア経済の回復を見込んで投資を検討するにあたっては、実物資産投資(不動産やインフラなど)が有効と考えられます。また、潜在成長率が高いことは、金利が今後上昇する余地が大きいことを意味します。キャリー(利息収入)利回りを重視してのオーストラリア・ドル建て債券投資も今後は魅力を増していくと考えています。

ロケーション・・・地域分散が望まれる政治環境

米国のトランプ政権は、保護主義的な通商政策や移民政策の推進に意欲を見せています。欧州主要国の選挙や英国のEU(欧州連合)離脱への動きを控え、保護主義はひとつのムーブメントをなす勢いです。この結果、通商政策における国と国との駆け引きが強まり、各国が自国産業の保護に走る可能性があります。こうした中、オーストラリアはアジア市場の資源供給元となっており、強い立場にあるとみています(図表4)。オーストラリアへの地域分散は、今後、世界経済のグローバル化が後退するような事態になった場合にも生きるストーリーと考えています。

以上

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