日米首脳会談の評価と市場への影響

  • マーケットレター
  • 2017年02月

日米首脳会談

2月10日(現地、以下同様)、安倍首相とトランプ大統領はホワイトハウスで日米首脳会談を行った。その後フロリダに移動し、11日にはゴルフを行うなど、ほぼ2日間行動をともにした。共同声明においては、主に日米安全保障体制の再確認と、さらなる経済関係の強化がうたわれた。

日本側にとっては、尖閣諸島が日米安保の対象に含まれることを再確認したことや、駐留米軍の経費負担について特段の要請を受けなかったこと、為替に関して円安批判といった米ドル円レートを念頭においた言及が米国側からなされなかったことなどが、会談の成果だと思われる。また、第二次安倍政権の1~2年目であり、かつ第二期オバマ政権の1~2年目であった2013年~2014年にかけてのぎくしゃくした首脳関係をかえりみれば、今回は新政権発足時から友好的な首脳関係を構築できただけでも得るものは多いと言える。

一方、米国側にとっては、自らが強く要請したわけではないにもかかわらず、日本側から経済分野で2国間協議の枠組みの提案があったことは大きな成果だと思われる。具体的な内容は、今後、麻生副総理とペンス副大統領をトップとする協議で詰めていくことになる模様だが、自動車分野や農業分野などで、日本側から何らかの譲歩が得られると考えているだろう。また、トランプ大統領にとっては、政策や発言に対し、欧州各国首脳などから批判的なコメントが発せられる中、相手側から目立った批判を受けることなく外交イベントをこなしたことが収穫と言えるかもしれない。

議会による閣僚の承認すら終わっておらず、本格稼働しているとは言い難いトランプ政権だけに、双方とも会談の具体的成果に乏しいとの見方もあろうが、国益と国益がぶつかり合う外交において、まずは国際情勢に対する基本的認識を共有し、個人的友好関係を深めたことは前向きに評価できる。

市場への影響

為替市場に関しては、ここ1カ月ほど米国による円安けん制への警戒感が強まっていたが、今回の首脳会談はその懸念をいくぶん和らげるものだったと言える。トランプ政権が進めようとしている減税やインフラ(社会基盤)投資、国境税などの政策は、いずれも需要の拡大や供給の抑制を通じ、物価や金利の上昇をもたらす可能性があり、為替市場では米ドル高要因とみなされやすい。したがって、基調としては米ドル高・円安傾向が続くとみられるが、そのスピードや幅が急速、あるいは大幅であれば、再び政治面からの円安けん制が強まる可能性がある。

株式市場に関しては、上記の円安けん制懸念の弱まりが当面のプラス材料になるとみられるほか、日本の個別産業に対し米国から明確な圧力がなかったことも安心感につながると思われる。日米首脳会談を無事に通過したことで、株式市場では足元の景気指標や企業決算の順調さを評価する動きが強まるだろう。ただし、トランプ政権の外交政策や経済政策に対する不透明感が払拭されたわけではないため、トランプ大統領の一挙手一投足に過敏に反応する状況は、まだしばらく続きそうだ。

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