最近のロシアの市場環境と今後の見通しについて

  • マーケットレター
  • 2017年01月

※当資料は、デカ・インベストメントのコメントを参考にして大和投資信託が作成したものです。

最近のロシアの市場環境

ロシア株式市場は、中国経済の減速、原油を中心とした商品市況の下落、ウクライナ問題をめぐる欧米諸国の経済制裁などに伴い軟調に推移していましたが、2016年1月以降、回復に転じてきました。

さらに、OPEC(石油輸出国機構)と非OPEC生産国が減産で合意したことや、ロシアとの関係改善を模索するトランプ氏が米国の次期大統領に決定したことなどを受けて、2016年11月中旬以降、回復が加速してきています。この上昇の主な要因として、以下の5点が挙げられます。

1. 原油価格の回復基調

2. ロシア経済の底打ち

3. 他の新興国市場と比較して割安な株価バリュエーション

4. ロシアに対するリスクプレミアムの低下

5. 米国との関係改善期待

原油価格の回復基調

原油価格は2014年6月から2016年年初まで下落基調となりましたが、その後、原油価格安定化に向けた産油国の動きなどを受けて反発に転じました。11月上旬まではボックス圏での推移が続きましたが、OPECと非OPEC生産国が減産で合意したことや、米国大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで米国経済の回復期待が高まったことなどが支援材料となり、再び上昇に転じました。足元では1バレル当たり50米ドルを上回る水準で推移しています。ロシアの経済や財政は原油価格との連動性が高いため、原油価格の上昇は景気や企業業績の回復期待を高め、株価上昇のけん引役となります。

ロシア経済の底打ち

ロシア経済は最悪期を脱し、緩やかな回復基調にあります。インフレ圧力の低下を受けて追加的な金融緩和が見込まれることや、ロシア・ルーブルが堅調に推移していること、原油価格が回復基調にあることなどが支援材料となり、2017年にはプラス成長へ回復する見通しです。

他の新興国市場と比較して割安な株価バリュエーション

地政学リスクや西側諸国による経済制裁などのマイナス要因があるものの、原油価格の回復やコーポレート・ガバナンスの改善、経済環境の回復見通しなどを勘案すると、現在の株価バリュエーションは魅力的な水準であると考えます。

ロシアに対するリスクプレミアムの低下

原油価格の下落に伴いロシアに対するリスクプレミアム(ロシアと米国の国債利回りの差)は急上昇していました。しかし、原油価格の回復やロシア経済の回復見通し、米国との関係改善期待などを受けて、投資家のリスク回避姿勢が緩和し、リスクプレミアムは低下基調となっています。

西側諸国による経済制裁が緩和や廃止されれば、さらなるリスクプレミアムの低下が見込まれるほか、株価バリュエーションの押し上げ要因になると考えます。

米国との関係改善期待

ロシアとの関係改善を模索するトランプ氏が米国の次期大統領に決まったことに加え、トランプ氏が、ロシアのプーチン大統領と親交のある大手米国石油会社のCEO(最高経営責任者)を国務長官に指名したことを受けて、米国とロシアの関係改善期待が強まっています。1月11日(現地)に開催された上院外交委員会での公聴会では、同CEOはロシアへの警戒は当然としつつも、率直な対話が必要であるとの考えを示しています。

次期政権発足後、経済制裁の緩和などを含め、米国とロシアの関係が改善するかが注目されます。

今後の見通し

これまで述べたように、ロシア経済は緩やかな回復基調にあり、2017年にはプラス成長に回帰する見通しです。

ロシア株式市場は、世界経済の低成長見通しや米国の利上げペースの加速、米ドル高に伴う新興国通貨への売り圧力、ロシアを取り巻く地政学リスクなどが懸念材料ですが、前述のような経済環境の改善、原油価格の回復、米国との関係改善期待などを背景に底堅い相場展開が予想されます。

また、他の新興国市場と比較して株価水準が割安であることや配当利回りが高いこと、ここ数年の厳しい経済環境下におけるロシア政府や中央銀行の対応が評価されること、エネルギーセクターを中心にコーポレート・ガバナンスが改善してきたこと、ロシア国営企業の民営化の進展なども支援材料になると考えます。最近では、国営石油会社の株式の一部を政府系ファンドのカタール投資庁と、スイスの大手資源会社へ売却することが発表されています。このような外資への民営化開放によって、企業の効率性やコーポレート・ガバナンスが改善していけば、新興国市場との株価バリュエーション差異の縮小も期待されます。

以上

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