最近の国内債券市場の動向と今後の見通しについて

  • マーケットレター
  • 2016年12月

最近の国内債券市場の動向

11月上旬の米国の大統領選挙において共和党のトランプ氏が勝利し、同氏が財政刺激策により米国景気を活性化するとの期待が高まると、米ドルや米国金利が大きく上昇しました。こうした動きを受けて、欧州や日本の金利についても上昇基調となり、日本の10年国債利回りは2016年2月以来のプラス水準を回復しました。さらには、12月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、FF(フェデラル・ファンド)レートの誘導目標が0.25%ポイント引き上げられるとともに、FOMC参加者による将来の政策金利の見通しが上方修正されたことを受けて米国長期金利が一段と上昇したことから、現在の10年国債利回りはプラス0.1%に近い水準まで上昇しています。

米国の大統領選挙直後の金利上昇局面においては、円安・株高が進行したことにより、日銀の追加金融緩和への期待感が急速に後退したことから、残存2年から5年程度の中期金利がより大きく上昇しました。これに対して、日銀は11月中旬に固定利回り方式の国債買い入れオペを実施して過度の金利上昇をけん制したことから、その後の中期金利の上昇は抑制されました。一方、20年債などの超長期金利については、12月上旬の国債入札の状況が芳しくなかったこともあって金利上昇ペースが加速しましたが、12月中旬に日銀が超長期債の国債買い入れオペを増額して「イールドカーブ・コントロール」に乗り出したことから、いったんは金利上昇に歯止めがかかった形となっています。

イールドカーブの変化については、中長期金利、とりわけ日銀が明確に誘導水準を示している10年国債利回りに対して、超長期金利の上昇幅が相対的に大きくなっています。

今後の見通し

米国の大統領選挙におけるトランプ氏の勝利は金融市場にとってサプライズであったものの、同氏の公約である大規模な減税やインフラ(社会基盤)投資などの景気刺激策への期待感から、世界的に市場は楽観的なムードに覆われています。実際に米国経済は雇用や所得環境が改善しており、原油価格の反発も加わってインフレ率は基調として2%に近づく可能性が高く、米国金利の上昇は今しばらく続くとみています。

一方、国内債券市場については、これまでと同様に米国金利上昇の影響を受けやすい状況に変わりはないものの、依然として国内のインフレ率は上昇機運が乏しいため、日銀はこれまで通り「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みを堅持する見込みです。その方針に従い、日銀は国債買い入れオペを柔軟に駆使して過度の金利上昇を抑制し、いわゆる「イールドカーブ・コントロール」を強力に推し進めるため、短期から超長期までのあらゆる年限の金利は今後一定のレンジでの推移に移行する可能性が高く、時間とともに金利上昇に対する懸念は薄らいでいくものと想定しています。

こうした想定の下、これまでの金利上昇によって利回り水準が回復した超長期債の投資妙味は相対的に高まっており、これらの債券への投資は一考の余地があると考えています。

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