米国大統領選挙後の米国優先リート市場の状況と今後の見通し

  • マーケットレター
  • 2016年11月

※当資料は、コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インク(以下、C&S)のコメントを参考にして大和投資信託が作成したものです。

米国大統領選挙後の米国優先リート市場の状況について

11月8日(現地)の米国大統領選挙以降、優先リート市場は軟調な推移が続いています。主な要因としては、トランプ次期大統領政権下で減税やインフラ(社会基盤)投資などを主軸とした成長政策によって景気が拡大し、物価が押し上げられるとの思惑が膨らんだことや、好調な米国経済を背景にFFレートの引き上げ期待が高まったことから長期金利が上昇傾向をたどったことが挙げられます。

また、年末が近づき、投資家の税金対策のための売りが出やすくなっています。米国の税制では株式投資で発生した損は、その年の収入(給与など)やキャピタルゲインと相殺することができるため、同国の投資家は年末が近づくと損失の出た銘柄を売却し実現損を出すことによって、税金負担を軽減しようとする動きがみられます。こういった売りが相場の重しとなっていることや、優先リートに投資するETFからの資金流出が見られるなど、需給面の要因も下げ要因として考えられます。

なお、普通リート市場との値動きを比較すると(過去半年)、9月までは普通リート市場に対しリターンでは劣後するものの、ボラティリティの低い安定的な上昇が続く局面が続いてきましたが、10月後半以降は、米国長期金利の上昇を受けて普通リート市場との連動性が相対的に大きくなってきています。これは利回り資産としての普通リートや優先リートに対して、金利上昇リスクを意識する投資家の売り圧力が強まった結果であると考えられます。しかしながら、高値からの調整幅については、普通リート市場が米国のマクロ景気動向などの影響を相対的に強く受け、比較的大きな値動きをたどったのに対し、優先リート市場の値動きは相対的に高い配当利回りが下支えとなり、比較的穏やかな動きとなっていることがみてとれます。

優先リートは魅力的な水準

直近の相場下落は、優先リートの投資家にとっては魅力的な投資機会であると考えます。金利上昇が優先リートなどの利回り資産にとってマイナス要因となることは否めませんが、優先リートの相対的に高いスプレッド(国債との利回り格差)やインカム水準は依然として魅力的な水準にあります。足元で見られる税金対策のための売りも今後数週間で峠を越え、その後は上述のような魅力的なバリュエーションや良好な投資環境(後述)を織り込む展開が予想されます。

新政権下で予想されるインフレ率の上昇や減税はリートの収益にプラスとなり、ホテルや集合住宅、オフィス、産業施設、ならびに商業施設など、幅広いセクターにわたって恩恵をもたらすものと見ています。特に物価の上昇は、インフレヘッジ資産としての不動産価格の上昇を招き、また不動産価格や賃金・工賃などの上昇によって物件の新規供給を抑制する効果をもたらすことから、不動産市場の需給ひっ迫が進むことに加え、リートの保有する物件の賃料上昇をもたらすものと予測されます。

今後の米国優先リート市場の見通し

米国大統領選挙で、有権者が現状打開を唱えるトランプ氏を次期大統領に選んだことはマーケットにとって大きなサプライズとなりましたが、C&S社では優先リート市場について大きな見直しは行っていません。

今後も米国経済は緩やかながら着実に拡大するとみており、雇用拡大がさらなる米国商業用不動産のファンダメンタルズの改善につながると考えています。このトレンドを背景に、優先リート市場においては、リート各社の好調な不動産市場を背景とした継続的なキャッシュフロー成長やバランスシートの改善が支援材料となるほか、引き続き、相対的に高い配当利回りやクレジットの改善期待、ならびに対国債利回りでのスプレッドなどが下支えとなる展開を予想しています。

また、優先リート市場の需給にも注目しています。金利上昇が続いているものの、足元でもリートの資金調達環境は堅調な状況が続いており、あえて発行コストの高い優先リートによる資金調達を行うリートは多くない一方で、投資家の利回り指向を背景に、今後の優先リートを取り巻く需給環境は引き続き、需要超過の状況が続くと考えられます。

世界的な低成長および低インフレ環境下において、FRB(米国連邦準備制度理事会)によるFFレートの引き上げは、金融情勢の正常化のために緩やかなペースでの引き上げになる可能性があります。現在の低い金利水準がやがて上昇する際にも、高いインカム水準を誇る優先リートは、トータルリターンの観点から投資家にとって魅力的な資産クラスの一つとなると考えられます。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。