最近のメキシコ・ペソの動向と今後の見通しについて

  • マーケットレター
  • 2016年11月

米国の大統領選挙を受けたメキシコ市場の動き

米国の大統領選挙が11月8日(現地、以下同様)に実施され、共和党のトランプ氏が勝利しました。各種世論調査では同氏の劣勢が伝えられていただけに、同氏の勝利はサプライズとして受け止められました。

保護貿易政策への懸念などから投資家のリスク回避姿勢が強まり、新興国の金融市場は売り圧力にさらされました。その後、トランプ次期大統領が財政刺激策により米国景気を活性化するとの期待、米ドルや米国金利が上昇したことを背景に、投資家の間でメキシコを含む新興国市場から米国市場に資金を移動する動きが強まったことが下落材料になりました。

メキシコはNAFTA(北米自由貿易協定)を通じて米国と密接な貿易関係にありますが、トランプ氏はNAFTAを批判し、米国とメキシコ国境間の壁建設や不法移民の取り締まり強化を公約していました。そのため、大統領選挙戦において、トランプ氏が支持率を上げた報道がなされると、メキシコ・ペソが下落するという展開でした。同氏の勝利により、メキシコ経済の行方への不安感が他の新興国に比べて強まったことで、メキシコの金融市場は総じて軟調となっています。

緊急会見、次回MPCに注目

11月9日、トランプ氏の米国大統領選挙勝利を受けて、メキシコ経済への影響を危惧した売り圧力が高まり、メキシコ・ペソは大きく下落しました。

メキシコのミード財務公債相と中央銀行のカルステンス総裁は9日に緊急会見を開き、国民や市場関係者に冷静さを保つように呼びかけるとともに、必要な時は措置をとる姿勢を示しています。

会見では、具体的な施策は発表されませんでしたが、メキシコ中央銀行は、11月17日に次のMPC(金融政策決定会合)を開くことになっています。また、米国金利の引き上げが示唆されている12月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)の翌日にも、会合を予定しています。市場動向に応じて追加利上げや為替介入などの対応策が検討されると思われます。

今後のメキシコ市場の見通し

トランプ氏の勝利により、メキシコの株式・債券市場やメキシコ・ペソの先行きに悲観的な見方が強まっています。

しかし、具体的な政策パッケージは現時点ではほとんど明らかにされていません。短期的には調整局面が続く可能性がありますが、今後徐々に具体的で実現性のある政策案が明らかになるにつれて政策の不透明感が薄まり、過度に悲観的な見方が修正されるとみています。

足元では、トランプ氏は、選挙戦で対立した共和党主流派の協力を得るため、政権の要である大統領首席補佐官にプリーバス党全国委員長を起用するなど、安定した政権運営に向けて、現実路線の政権運営へ動き出しています。不法移民の強制送還は一部にとどめるなど公約の一部も修正しはじめました。

また、メキシコ政府は、プライマリー収支の黒字をめざすなど財政健全姿勢を維持しているため、中長期的には、原油依存からの脱却をめざす構造改革の進展や財政収支の改善により、メキシコ金融市場はファンダメンタルズに照らして適正な水準で推移するものとみています。

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