最近のブラジル・レアルの動向と今後の見通しについて

  • マーケットレター
  • 2016年11月

米国の大統領選挙を受けたブラジル市場の動き

米国の大統領選挙が11月8日(現地)に実施され、共和党のトランプ氏が勝利しました。各種世論調査では同氏の劣勢が伝えられていただけに、同氏の勝利はサプライズとして受け止められました。

ブラジル金融市場は米国の保護貿易政策への懸念などから投資家のリスク回避姿勢が強まり、売り圧力にさらされました。さらに、トランプ次期大統領が財政刺激策により米国景気を活性化するとの期待や、米ドル高や米国金利が上昇したことを背景に、投資家の間でブラジルを含む新興国市場から米国市場に資金を移動する動きが強まったことが下落材料になりました。

また、ブラジル金融市場は、年初より政権交代期待や、原油をはじめ、鉄鉱石や砂糖、コーヒーなどの商品価格の上昇が追い風となり、上昇を続けていました。年初来のパフォーマンスが他の国に比べ好調であったため、利益確定の売りが出やすい環境にあったことも下げ幅を大きくした要因でした。

米国のブラジルへの影響

トランプ氏の勝利により、ブラジルを含む新興国市場の先行きに対して不透明感が高まっていますが、現時点でトランプ氏の政策パッケージはほとんど明らかにされていません。米国の財政刺激策や保護主義的通商政策が実行に移される見込みが高まる場合、景気浮揚期待や財政悪化懸念が米国の金利上昇圧力につながり、ブラジルをはじめとした新興国からの資金流出を引き起こすシナリオも考えられます。

しかしながら、不透明感の高まりが織り込まれた後は、トランプ新政権の政策立案や執行能力に対する評価に注目が移っていくと考えます。

今後のブラジル市場の見通し

ブラジルは、インフレ率の低下が鮮明になってきたことから、金融政策の舵を緩和サイクルへと切り変えました。今後もインフレ率の鈍化傾向が続く見通しであり、金融緩和政策が続けば低成長を続ける経済の下支えになることが期待されます。

財政再建に関しては、景気回復による税収増と、歳出削減に関する法案など財政健全化法案の可決が重要となっています。公的年金支給年齢の引き上げや社会保障改革など、国民に痛みを強いる緊縮策について各方面からの反発も予想されますが、政権が財政健全化を着々と進めるには重要なことであり、注目されます。

中長期的には、財政再建が進捗すれば、格付けや通貨価値の見直しに寄与することが予想されます。国の信用力が高まれば、海外からの投資などを通じて、成長軌道に戻ることも期待されます。

以上

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