最近のロシアの市場環境と今後の見通しについて

  • マーケットレター
  • 2016年11月

最近のロシアの市場環境

ロシア株式市場は、中国経済の減速や、原油を中心とした商品市況の下落、ウクライナ問題をめぐる欧米諸国の経済制裁などに伴い2014年6月から下落基調でしたが、2016年1月以降、回復に転じてきました。市場回復の主な要因として、以下の4点が挙げられます。

1. 原油価格の回復

2. ロシア経済の底打ち

3. 地政学リスクの改善

4. 新興国市場の中でも割安な株価バリュエーション

原油価格の回復

原油価格は2014年6月から2016年年初まで下落基調となりましたが、その後反発に転じ、2016年10月末は2016年2月の安値から約9割上昇しています。一定の需要がある中、原油価格の低迷を受けて非OPEC(石油輸出国機構)生産国からの生産量が減少し需給バランスが整いつつあることや、OPECが約8年ぶりとなる減産に合意するなど、原油価格安定化に向けた動きが出てきたことなどが支援材料となっています。

また、原油生産コストが低く、ロシア・ルーブルと原油価格との相関が高いため、原油価格が低迷し、他の産油国が困難に陥る局面でも、ロシアの原油採掘企業はフリー・キャッシュ・フローを生み出すことができたことからプラス要因となりました。

ロシア経済の底打ち

ロシア経済は最悪期を脱し、緩やかな回復基調にあります。インフレ圧力の低下を受けてロシア中央銀行が緩和的な金融政策を維持していることや、ロシア・ルーブルの値動きが安定してきたこと、原油価格が回復してきたことなどが支援材料となっています。

個人消費の低迷が続いていることなどから2016年はマイナス成長になる見通しですが、2017年にはプラス成長への回帰が期待されています。

地政学リスクの改善

ウクライナ問題をめぐり西側諸国がロシアに対し経済制裁を続けていることや、イスラム過激派組織「イスラム国」の掃討を目的としたシリアでの空爆、核軍縮をめぐる米国との対立など、ロシアを取り巻く地政学リスクには引き続き警戒が必要と考えます。

ただし、トルコによるロシア軍機撃墜事件をきっかけに悪化した2国間関係について、首脳会談などを通じて両国の関係修復が進んだことや、西側諸国による経済制裁への緩和観測などが地政学リスクの改善につながりました。

新興国市場の中でも割安な株価バリュエーション

以下のように、予想PER(株価収益率)を見ると、新興国市場に対してロシアの株価バリュエーションは割安な水準となっています。地政学リスクや西側諸国による経済制裁などのマイナス要因があるものの、原油価格の回復やコーポレート・ガバナンスの改善、経済環境の回復見通しなどを勘案すると、現在の株価バリュエーションは魅力的な水準であると考えます。

今後の見通し

これまで述べたように、ロシア経済は緩やかな回復基調にあり、2017年にはプラス成長に回帰すると予想しています。

年内の追加利下げは想定していませんが、インフレ圧力の低下を受けて来年にはロシア中央銀行が追加利下げを行う見通しであることや、ロシア・ルーブルの値動きが安定してきたこと、原油価格の緩やかな回復が続く見通しであることなどが支援材料になる見通しです。ただし、ロシアの経済や財政は原油価格との連動性が高いため、中東情勢や原油の世界的な需給動向に引き続き注目する必要があると考えます。その他には個人消費の低迷が続いていること、2016年1月以降のロシア・ルーブルの上昇による企業業績への影響などが懸念材料です。

ロシア株式市場は、世界経済の低成長見通しや、米国の追加利上げ観測、ロシアを取り巻く地政学リスクなどが懸念材料として考えられますが、前述のような経済環境の改善や原油価格の回復などを背景に、底堅い相場展開が予想されます。9月に実施された下院選挙で与党が前回の選挙から大幅に議席を増やしたこともプラス要因です。

また、他の新興国市場と比較して株価水準が割安であることに加え、日本や欧州などの中央銀行が緩和的な金融政策を維持していることや、ここ数年の厳しい経済環境下におけるロシア政府や中央銀行の対応が評価されること、エネルギーセクターを中心にコーポレート・ガバナンスが改善してきたことなども支援材料になると考えます。

※当資料は、デカ・インベストメントのコメントを参考にして大和投資信託が作成したものです。

以上

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