ブラジルが政策金利を0.25%ポイント引き下げ

  • マーケットレター
  • 2016年10月

政策金利を0.25%ポイント引き下げ

ブラジル中央銀行のCopom(金融政策委員会)は19日(現地、以下同様)、政策金利を14.25%から0.25%ポイント引き下げ、14%にすることを全会一致で決定しました。

声明では、インフレ率の低下が加速した場合や財政緊縮策の議会承認が進んだ場合、より大幅な利下げを行う可能性があるとし、緩和サイクルの開始を示唆しています。また、インフレ目標が達成できるとより強く確信させる材料があらわれた場合、利下げのペースを加速させると述べています。

また、声明文の中でインフレ率の見通しが公表されており、2017年は4.3%、2018年は3.9%と、2016年9月の前年比8.48%から大幅に低下すると予想しています。

利下げの背景

ブラジルのインフレ目標は4.5%ですが、ルセフ前大統領が就任して打ち出した経済政策がインフレの加速につながったため、実際のインフレ率は目標を超えて推移していました。景気が後退局面にある中でも、インフレ圧力が高いため、利下げを行うことができない環境が続いていました。依然としてインフレ率は高い水準にあるものの、インフレ期待は弱まっており伸び率も鈍化傾向にあることから、景気を下支えするために、2012年以来4年ぶりに利下げが行われました。

市場では、今回のCopomにおいて利下げが決定されることは確実視されていました。ブラジル中央銀行は9月に発表したインフレレポートの中で物価見通しを引き下げ、2017年にインフレ率が目標値に近づくとしていたため、近い将来に利下げを行う期待が高まりました。また、同レポートの中で、政策金利の引き下げには財政健全化法案の成立が重要としていたため、10月10日に下院で歳出削減法案が可決されたことを受けて、利下げを行う環境が整ったと言えます。

今後の見通し

引き続き、財政再建への取り組みとインフレ率の動向に注目が集まります。

財政再建に関しては、テメル政権による財政再建を実行する意欲や能力、財政目標を達成するための政策の議会での審議が今後の注目点です。足元では、政府支出の伸び率を前年のインフレ率以下に抑える歳出削減法案が下院で大多数の賛成を得て可決されています。テメル大統領は、年金削減など不人気とみられる財政政策も断行すると述べていますが、支持率が低下しているほか汚職疑惑もあることから、政局には注意が必要です。しかし、政権が財政健全化を着々と進めることができれば、海外からの投資も活発になると見込みます。

インフレ率に関しては、中央銀行の見通しに沿って低下するかが注目されます。これまでの金融引き締めや景気低迷が物価の伸び鈍化につながっているほか、補助金削減による公共料金の値上げなどの影響が和らいだことで、今年のインフレ率は鈍化しています。インフレ率の鈍化が続けば、緩和的な金融政策により、低迷する景気を下支えすることが期待されます。

グローバルな投資環境では、新興国からの資金流出懸念を高める米国の利上げ動向が注目されますが、財政再建が進捗すれば、国の信用力が高まり、海外からの投資などを通じて、ブラジル・レアルは底堅く推移すると見込みます。

以上

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