ブラジルのルセフ大統領が失職

  • マーケットレター
  • 2016年09月

ルセフ大統領が失職し、テメル氏が正式に大統領に就任

ブラジルのルセフ大統領は罷免が正式に決定され、失職しました。不正会計操作に関わったとして5月から職務停止となっていたルセフ大統領に対する弾劾裁判の最終採決が、8月31日(現地、以下同様)の上院において実施され、81名中61名が有罪を支持(要件は3分の2以上の賛成)したため、ルセフ氏の罷免が決定されました。暫定大統領となっていたテメル副大統領が、ルセフ氏の本来の任期である2018年12月まで大統領職を務めることになります。

ルセフ大統領に対する弾劾手続きは2015年12月に下院から始まり、ほぼ9カ月間をかけて終了しましたが、5月の職務停止以降、罷免成立は確実との見方がブラジル国内では支配的となっていました。なお、今回の罷免が8年間の公職就任禁止に該当するかについての採決は別途行われ、賛成が3分の2に満たなかったため、ルセフ氏は公職就任禁止を免れました。

2003年から始まったルラ政権、続くルセフ政権が終了し、ルセフ氏の所属するPT(労働党)は、テメル氏の所属するPMDB(民主運動党)に政権を正式に引き継ぐことになります。ルセフ氏はルラ氏の後継指名を受けて女性としては初めて2010年のブラジルの大統領選挙に勝利し、2011年1月に大統領に就任後、2014年には僅差ながら再選を果たし、2015年1月から第二期政権を務めていました。なお、PMDBの政治家が大統領となるのは、1985年にネーヴェス大統領の急病で後を継いだサルネイ氏、1992年にコロール大統領罷免の後を受けたフランコ氏に次いで3度目となりますが、いずれも副大統領からの昇格となります。

ブラジルの汚職捜査の進展次第では政治的不透明感が再び高まる可能性は残るものの、テメル氏が正式に大統領に就任したことにより、政治状況の安定化が見込まれます。課題となっている財政再建や、マイナス成長からの脱却に向けて、市場は新大統領の具体的な政策に、より注目すると考えられます。

ブラジル中央銀行は、政策金利を据え置き

金融政策に目を向けると、ブラジル中央銀行は8月30~31日に開催されたCopom(金融政策委員会)の結果、全会一致で政策金利を14.25%に据え置くことを決定しました。政策金利は2015年7月に現在の水準まで引き上げられた後、これまで据え置かれてきました。市場では景気の下支えのために利下げを期待する声もありますが、インフレは一時よりは鈍化したものの7月時点で前年同月比8%台後半と、目標レンジ(4.5%±2%)の上限である6.5%を依然として大きく上回っており、中央銀行はインフレ見通しの悪化の回避を優先し、市場の信認を維持する姿勢を堅持しています。今後、政府が実効性のある財政緊縮策を打ち出せば潜在的なインフレ圧力が低下し、利下げ開始の可能性が高まり、景気見通しの改善に寄与していくことが期待されます。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。