米ドル円のヘッジコストの状況について

  • マーケットレター
  • 2016年08月

足元の状況

直近1カ月で、3カ月米ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)がおよそ0.65%から0.80%へと0.15%程度上昇しており、米ドル円の為替ヘッジコストが上昇傾向にあります。

この要因は、10月14日(現地)から施行される予定の米国MMF(マネー・マーケット・ファンド)規制改革を反映しているものと推測されます。米国MMFが流動性強化のための規制に対応し、CD(譲渡性預金)やCP(コマーシャルペーパー)など国債以外の組み入れを控え、また投資期間を短期化する動きがあります。こうした米国MMFの投資行動により、CDやCPでの米ドル資金調達が難しくなった金融機関がマーケットでの調達を増やしたため、米ドルLIBORの上昇を招いた模様です。

※米国MMF規制改革について:主に国債以外の資産で運用するMMFに対して、資産の30%以上を5営業日以内に換金可能な証券で運用する、もしくは、市場の緊張時にMMFを解約する場合の流動性手数料や払い戻し停止措置の導入を義務付けるなどの内容。

為替ヘッジコストへの影響について

為替ヘッジにかかるコストは、理論的には「外貨建短期金利と自国通貨建短期金利の差」となりますが、当該通貨の金利見通しや需給などの状況によっては、米ドルの調達に対する上乗せ金利(ベーシス)が発生し、為替ヘッジコストは金利差と乖離します。

2015年11月頃より、日米の金融政策における方向性の違いによる金利要因や需給要因により為替ヘッジコストは上昇傾向となっていました。今回のMMF規制改革による米ドルLIBORの上昇や、それに伴う金融機関のベーシス・スワップ(2通貨の変動金利を交換する取引)の利用増加などにより、為替ヘッジコストは引き続き上昇傾向となっています。

今後の見通し

米国でのMMF規制改革に伴う米ドル調達環境のひっ迫により、米ドルLIBORには引き続き上昇圧力がかかるとみられ、米ドル円の為替ヘッジコストも高止まりすると見込まれます。

ただし新たなMMF規制が施行される予定の10月前後には米ドルLIBORの上昇圧力が一服する公算が高く、また下の表のような中央銀行の米ドル供給の枠組みも存在することから、米ドルLIBORの急激な上昇は予想していません。

しかしながら、今回の米国MMF規制改革における一過性の要因がはく落した場合においても、中長期的には日米金融政策の方向性の違いによる金利差の拡大や本邦投資家による外貨投資需要などにより、金利要因・需給要因の両面から、米ドル円の為替ヘッジコストは今後も高止まりすることが予想されます。

以上

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