コーポレート・ハイブリッド証券市場の投資環境

  • マーケットレター
  • 2016年07月

※当資料は、ニューバーガー・バーマン・インベストメント・アドバイザーズLLCのコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

2015年後半から軟調に推移していたコーポレート・ハイブリッド証券市場ですが、2016年2月以降は、市場のリスク回避姿勢の後退に伴いおおむね堅調な推移となっています。

2015年後半以降の市場動向

2015年後半から2016年2月までの期間、①中国上海株の急落②独フォルクスワーゲン社による排ガス規制に対する不正行為の発覚とそれに伴う欧州社債市場の動揺③原油価格の急落と世界的な景気減速懸念、以上のような要因を背景に金融市場全体でリスクオフの動きが強まり、コーポレート・ハイブリッド証券を含むクレジット市場の利回り水準が国債利回りと比較して全般に上昇しました。しかし、2016年2月以降、このようなクレジット・イベントはいずれも以下に示すように改善傾向となっており、市場の投資家心理も回復しつつあります。

①中国上海株の急落

今年3月開催の全国人民代表大会で承認された第13次5カ年計画では、この間の年平均6.5%以上の成長目標が示されました。当局による継続的な金融緩和に加え、交通網整備など大規模なインフラ(社会基盤)投資への期待もあって、中国株式市場は底堅い動きを示しています。

②独フォルクスワーゲンによる不正行為

今年6月には、フォルクスワーゲン社は排ガス不正問題で最大152億米ドルの支出で米当局などと和解することで合意したと報じられました。この額は、すでに同社が引当金として計上済みの範囲内に収まることもあって、米国での不正問題はヤマ場を越えたと市場では判断され、株式、社債価格も回復に向かい始めています。なお、6月に開始されたECB(欧州中央銀行)のCSPP(社債購入プログラム)では、同社の普通社債も買い取り対象となっています。

③原油価格の急落

今年2月以降、中国など途上国を中心とした景気減速の懸念が和らぐとともに原油価格は反転上昇し、6月にはWTI原油市場において一時1バレル50米ドルを超える水準まで上昇しました。市場の懸案事項であった原油価格の底打ちは、市場のリスク投資姿勢を積極化させ、コーポレート・ハイブリッド市場にもプラスに働きました。

ECB社債購入プログラムは、欧州社債市場を安定化

今年6月、ECBは追加緩和策の一環としてCSPPを開始しました。当プログラムで購入対象となる社債の要件は、①金融機関を除く②ユーロ圏の企業が発行する③投資適格(少なくとも1社から投資適格の格付けを得ている)のユーロ建て社債となっています。

劣後債などに分類されるコーポレート・ハイブリッド証券は、今回のCSPPの対象ではありませんが、当プログラムの開始に伴い購入対象の適格社債が買われ利回りが低下する中で、コーポレート・ハイブリッド証券の相対的に高い利回りが選好されやすい環境となっています。また、電力、通信サービス、自動車メーカーなど多くの企業が発行する普通社債がプログラムの購入対象となっています。

英国国民投票を受けて

今年6月後半に実施された英国の国民投票では、EU(欧州連合)離脱が多数を占める結果となり、この影響などから、短期的にはコーポレート・ハイブリッド証券市場の変動性が高止まりする可能性があります。しかし、2008年の金融危機のような展開になるとは考えていません。

一部のEU加盟国が英国に追随する可能性など、今後のEU各国をめぐる政治的不透明感が払拭されたわけではありませんが、英国の国民投票の直後に投開票されたスペイン下院の総選挙では、反EU派の新興政党の議席が伸び悩む結果となりました。一部で議論されていたEU崩壊の危機といったような状況からは、市場環境は変化しつつあります。

魅力的なコーポレート・ハイブリッド証券への投資

欧州では、内需主導の緩やかな景気回復が継続しています。また、欧州各国の中央銀行の潤沢な資金供給の準備など、金融市場の安定化に向けた緩和的な施策は今後も期待できると考えています。6月に開始された上述のCSPPも市場予想以上の規模で行われており、当局が市場の期待を裏切らない緩和を継続する姿勢を明確にしています。世界的に低金利環境が長期化する中で、リスクが限定される一方で相対的に利回り水準の高いコーポレート・ハイブリッド証券は、魅力的な投資対象として今後も資金流入が期待されます。

以上

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