米国MLP市場の現状と今後の見通しについて

  • マーケットレター
  • 2016年06月

※以下のデータおよびコメントは、CBREクラリオン・セキュリティーズのコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

米国MLP市場の現状

原油価格は2014年半ばから2016年初まで下落基調となりましたが、2016年2月中旬から反発に転じ、6月初旬まで回復基調が続いています。原油価格の回復を受け、エネルギー・セクター全般に対する投資家心理のみならず、エネルギー関連企業の資金調達環境も改善しています。

また、エネルギー関連企業の資金調達環境の改善はMLPの今後の成長見通しを支える要因の一つであることから、資金調達環境が改善するにつれ、アレリアンMLP指数(トータルリターン、米ドルベース)も2016年2月の安値から約50%回復しています。

原油の需給バランスについて

原油価格の回復は、需要拡大と原油価格の低下による需給バランスの調整に基づくものです。IEA(国際エネルギー機関)が6月中旬に公表した月報では、5月の原油生産は前年同月から日量59万バレル減少したほか、OPEC(石油輸出国機構)非加盟国の生産は前年同月比で日量130万バレル減少するなど、世界の原油生産量は減少傾向にあります。

中国やインドなどの新興国における原油需要は、都市化や生活水準の向上を背景として長期的に拡大を続ける見込みです。また、米国では自動車走行距離が増加するなど、先進国においても、需要の増加傾向が見られます。

CBREクラリオンでは原油の需給バランスの改善見通しから、2016年末に原油価格が1バレル60米ドル台に乗せることもあると予想しています。ただし、生産障害が起きているナイジェリアやリビアなどで生産が回復する可能性などには引き続き留意する必要があると考えています。

今後の見通し

ここ数カ月でMLPに対する見通しは大幅に改善しています。その背景としては、すでに述べた通りですが、MLPが輸送、貯蔵、処理を担う商品の価格(原油、天然ガス、天然ガス液などの価格)が上昇してきたこと、エネルギー・セクターに対する投資家心理が回復してきたこと、資金調達環境が改善したことが挙げられます。これらは、MLP価格のみならず、エネルギー関連企業全般の株価を押し上げる要因となっています。

また、MLPは原油価格の低迷に直面し、設備投資、開発のペースが遅延する中でも、増配を継続しました。短期的な配当成長率は3-5%程度と予想しているものの、施設稼働率の上昇と遅延していた新規エネルギー・インフラ開発の再開などを背景に、数年後には成長ペースの加速が予想されています。

足元の相対的に高い配当利回りと配当成長期待などから、MLPは今後1年間において魅力的なトータルリターンとなる可能性があるとみています。

以上

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