最近のコーポレート・ハイブリッド証券市場の投資環境

  • マーケットレター
  • 2016年06月

※当資料は、パイオニア・インベストメント・マネジメント・リミテッドのコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

最近の市場動向

2016年3月以降、コーポレート・ハイブリッド証券市場はおおむね堅調に推移しています。

その背景としては、原油価格の底打ち感がリスク資産全体に対しプラスに影響していることや、3月にECB(欧州中央銀行)が発表した追加緩和策により投資家センチメントが改善したことなどが挙げられます。

なお、発表されたECBの追加緩和策は以下の内容となります。

①主要オペ金利を0.05%から0.00%へ引き下げ

②限界貸付金利(銀行がECBから不定期に資金を借り入れた際に課される金利)を0.30%から0.25%へ引き下げ

③中銀預金金利(銀行がECBに余剰資金を預け入れた際に付す金利)を▲0.30%から▲0.40%へ引き下げ

④月間の資産購入を4月以降600億ユーロから800億ユーロに増額

⑤資産購入の対象を非金融機関の発行する投資適格社債に拡大(それまでは国債、地方債、ABS(資産担保証券)、カバード・ボンドなど)

⑥貸し出し実績に応じた期間4年の長期資金供給オペ(TLTROⅡ) の導入

上記のうち⑤にあたる社債購入プログラム(CSPP)が、特に欧州のクレジット市場全般にポジティブに働きました。

ハイブリッド証券は資産購入の対象ではありませんが、購入対象資産の利回りが低位で推移する中、ハイブリッド証券の相対的に高い利回りが選好されやすい局面となりました。

加えて、CSPPを見込んで、非金融セクターが低コストでの長期シニア債の発行を急ぐ中、支払いクーポンが高めのハイブリッド債の新規発行が見送られてきた結果、需給が引き締まったことも相場の下支え要因となりました。

4月下旬から5月上旬にかけては、FRB(米国連邦準備制度理事会)による6~7月の利上げ観測の台頭やハイブリッド証券の発行体でもあるドイツの大手製薬会社による買収に関する報道などから弱含む場面も見られましたが、6月以降はCSPPの開始など受けて再び堅調な推移となっています。

今後の見通し

欧州の景気は、米国の利上げや商品市況、中国経済の減速、英国のEU(欧州連合)離脱の可能性などがリスク要因となりますが、大きなショックとならない限り、ECBによる金融緩和効果やユーロ安による輸出の増加が期待されるほか、個人消費の回復への期待などを背景に、底堅く推移すると考えています。

ハイブリッド証券市場につきましては、年初からの価格の振れが大きい(ボラティリティの高い)環境を経て、足元では市場心理は改善傾向にあります。発行企業が利払いを繰り延べるリスクは依然として低く、現在のハイブリッド証券の利回り(信用スプレッド)は魅力的な水準にあると考えています。

6月23日(現地)に予定されている英国のEU離脱の是非を問う国民投票を控えて、リスク資産全体でボラティリティの高い市場環境が余儀なくされるとみています。しかし、ハイブリッド債の発行体、特に事業債については、地域に根差したビジネスを展開するセクターが多いことから、市場環境が落ち着くに連れて、ECBによるCSPP導入による間接的な恩恵や相対的に高い利回りを追求する投資家にも支えられ、引き続き堅調に推移することが見込まれます。

金融ハイブリッド債は、金融セクター発行の債券がCSPPの対象に含まれませんが、3月にECBが追加緩和策として発表した、貸出条件付き4年物長期リファイナンス・オペ(TLTROⅡ)の導入が、EU域内の銀行の調達コストを引き下げ、中期的には金融システムの安定化に寄与することが期待される点などポジティブに捉えています。

以上

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