最近のトルコ情勢について

  • マーケットレター
  • 2016年05月

間もなく新内閣が発足

トルコでは、ダウトオール氏が首相の職と与党AKP(公正発展党)の党首を辞任する意向を示して以来、次期政権をめぐる政治動向に注目が集まっていました。AKPは22日(現地、以下同様)に臨時の党大会を開催し、運輸相を務めていたユルドゥルム氏を新しい党首として選出しました。ユルドゥルム氏は、2001年にエルドアン大統領と共にAKPの設立に携わっており、これまで現政権を含めて4度、運輸相を務めていました。また、エルドアン大統領がイスタンブール市長を務めていたときから関係があることから、大統領と近しい人物とみられています。

24日には、ユルドゥルム氏はエルドアン大統領からの組閣要請に対して、閣僚名簿を提出しました。一部では退任観測も広がっていたシェムシェキ経済担当副首相が留任することが発表されたほか、外相などの主要閣僚も留任することとなりました。新政権は国会での信任投票を終えた後、正式に発足する見込みとなっています。

同日、市場では、シェムシェキ副首相の留任を好感し、トルコ・リラは一時対米ドルで1.5%超の上昇を見せたほか、トルコの10年国債利回りは0.3%以上の低下、株式市場は前日比約3.5%の上昇となりました。

金融政策の簡素化を継続

トルコ中央銀行は24日に行われた金融政策委員会で、翌日物貸出金利(コリドー上限金利)を0.50%ポイント引き下げ、9.50%としました。翌日物貸出金利は3会合連続の引き下げとなりました。また、1週間物レポ金利と翌日物借入金利(コリドー下限金利)については、それぞれ7.50%と7.25%で据え置かれました。ブルームバーグによると、多くのエコノミストがコリドー上限金利の引き下げを予想しており、おおむね市場予想通りの結果と言えます。

声明文では、昨年発表した金融政策の簡素化に向けたプロセスに沿った決定であることが示されたほか、コアインフレ率の基調の改善が限定的であることから、流動性に対して引き締め的であり続ける必要があることが示唆されました。

今後の見通し

ユルドゥルム氏が率いる新政権は、これまで以上にエルドアン大統領に忠実な内閣となるとみられています。ユルドゥルム氏は、党大会で「政治の混乱を収拾すること」が重要だと述べ、大統領権限の強化を進めていく方針を示しました。このことを受けて、今後は大統領の権限強化への動きが加速すると考えられます。エルドアン大統領が望む「実権的な大統領制」を実現するためには、憲法改正が必要となりますが、AKPの議席数は新憲法の起草に必要な330議席に足りていません。改憲のためには、野党の協力を得つつ国民投票を行う必要があり、市場の一部では解散総選挙を行うのではとの見方もあります。いずれにせよ、国民の理解が得られるかどうかについては、現時点では不透明となっています。(なお、367名以上の議員が新憲法を受諾した場合は国民投票を行う必要がありません。)

政府は建国100周年となる2023年までに経済規模で世界トップ10入りすることを目指しています。今回の一連の政治動向に鑑みると、影響力を強めたエルドアン大統領は、さらなる景気刺激を志向するとみられ、トルコの経済成長を後押しすると考えられます。トルコの金融市場は憲法改正など政治動向をめぐる思惑に加え、欧米などの金融政策動向、資源価格の動きなど外部要因の影響を受ける可能性があります。しかし、相対的に高い金利水準であることや内需を中心とした経済成長が期待できる点から、引き続きトルコは魅力的な投資対象であると考えられます。

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