最近のハイ・イールド債券の投資環境

  • マーケットレター
  • 2015年12月

※当資料は、J.P.モルガン・インベストメント・マネージメント・インクのコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

最近の市場動向

2015年6月以降、米国ハイ・イールド債券市場は、スプレッド(対国債の利回り格差)の拡大を伴って下落基調となりました。この下落要因としては、まず中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化により、世界的に景気後退リスクが高まった点が挙げられます。こうした環境下、米国ハイ・イールド債券市場もリスク資産のひとつとして、全般に価格調整圧力を受けやすくなっています。

加えて、欧州や日本が金融緩和を継続させる一方、米国ではFRB(米国連邦準備制度理事会)が利上げを視野に入れたことなど、金融政策の方向性の違いもリスク資産市場に対する価格下押し圧力となりました。また、原油など商品市況の下落を受けて、エネルギーや金属、鉱物などの関連企業の信用力に対する懸念が高まり、これらの債券価格の下落が市場全体に波及したほか、投資信託からの資金流出が膨らむなどの需給要因もハイ・イールド債券市場の下押し圧力となりました。

相次ぐ高利回り債ファンドの解約停止について

12月には、米国の運用会社サード・アベニュー・マネジメントやストーン・ライオン・キャピタル・パートナーズなどが、相次いで高利回り債ファンドの解約停止や清算計画を発表したことで、クレジット市場ではハイ・イールド債券全般に対する流動性懸念が広がり、スプレッドの拡大を招きました。

ただし、これらのファンドは、ディストレス債(破綻後の経営再建途上にある企業が発行する債券)など、そもそも流動性の低い資産を中心に投資する商品性でした。保有資産の大半を投機的格付けの中でもより高い格付け(BB格~B格)の債券が占める伝統的なハイ・イールド債券ファンドとは一線を画すものと考えられます。

今後の見通し

市場がFRBの利上げサイクルに適応する必要もあることから、ハイ・イールド債券市場の流動性懸念は短期的にはボラティリティ(価格変動性)の上昇や、債券価格がファンダメンタルズを反映した本来の資産価値から乖離する状況につながりやすいとみられます。

ただし、長期的なパフォーマンスを左右するファンダメンタルズに目を向けると、多くのハイ・イールド債券発行企業については、米国経済の成長に応じて緩やかながらも収益成長が続き、財務健全性も維持されると考えています。原油など商品市況の低迷が長期化すれば、関連企業の信用力低下が懸念されますが、一方で他のハイ・イールド債券発行企業にとっては、消費など最終需要の増加やコスト低減の恩恵を受けて、財務信用力の維持・改善が期待されます。従いまして、商品市況低迷の影響を受ける関連セクターではデフォルト(債務不履行)率の上昇が想定されるものの、ハイ・イールド債券市場全体のデフォルト率は大幅な上昇には至らないと考えています。

現在のハイ・イールド債券のスプレッド水準は、商品関連セクター以外の多くの企業にもデフォルトが広がらなければ正当化できず、米国の景気後退を織り込んだ水準にあると捉えられます。ここもとの債券価格の下落は行き過ぎ感があり、世界的に経済が安定し、市場が落ち着きを取り戻せば、各発行体のファンダメンタルズを反映した本来の資産価値まで債券価格が回帰するとみています。

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