利上げ後の米国リート市場見通し

  • マーケットレター
  • 2015年12月

市場動向

FRB(米国連邦準備制度理事会)は12月15日-16日(現地)に開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)において事前に示唆していた通り、政策金利であるFFレート(フェデラル・ファンド・レート)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、0.25%~0.50%としました。

16日の米国金融市場では、金融政策に関する不透明感が後退したと受け止められたことや、米国経済には利上げに耐えられるだけの力強さがあるとの見方から、株式市場やリート市場は大きく上昇しました。

市場見通し

米国の利上げは2006年6月以来となります。前回の利上げ局面におけるリート市場と長期国債利回りの推移を示したのが下のグラフです。

グラフからは、FOMCで毎回のように利上げが行われ、リート市場は下落局面が数カ月続く場面もありましたが、中期的には大きな上昇局面となっていたことが読み取れます。

すなわち、利上げは堅調な米国経済の証左であり、米国経済が堅調であることは賃貸不動産の事業環境にとって追い風となり米国リート市場の新たな上昇局面の入り口になると考えます。

堅調な景気や不動産市場のほかに、リート市場にとって重要な要因としては、長期国債利回り(長期金利)が挙げられます。グラフからも見て取れるように、前回の利上げ局面では、政策金利が大きく上昇する過程において長期国債(10年国債)利回りは比較的落ち着いた推移となっていました。これによると、今回の利上げ局面においてもリート市場が息の長い上昇局面となるには長期国債利回りの動向が重要になると考えます。

FRBが量的緩和の縮小に初めて言及した2013年5月以降の米国リート市場は、下のグラフからもわかるように、長期国債利回りの動向に左右されやすい状態が続いています。これは、リートが債券的性格もある利回り資産の1つと見なされていることに起因しています。

長期国債利回りに影響を与える要因としては、米国経済と政策金利の動向やインフレ見通しなどが挙げられます。今回の利上げ局面においては、緩やかな経済成長と慎重なペースでの利上げが見込まれています。また、インフレについてもFRBが目標とする+2%に達するには時間がかかると予想されることから、長期国債利回りも中期的にはレンジ内での推移になると考えます。

不動産市場にとって重要な要因の1つに雇用環境が挙げられます。雇用者数の増加は、企業のオフィス需要を拡大させるほか、新しい勤務地での住宅需要にもつながります。また、賃金の増加は個人消費の追い風になります。

下のグラフからは、失業率の改善が進んでいることが分かりますが、オフィスの空室率改善ペースはこれまでのところ緩やかなものにとどまっており、今後は改善ペースの加速が期待されます。

以上のことから、緩やかな景気拡大と慎重なペースでの利上げ、低インフレ下での長期国債利回りの安定推移、雇用環境の改善継続と良好な不動産市場ならびにリートの堅調な業績などを背景に、米国リート市場は緩やかながらも息の長い上昇局面に入ると考えます。

以上

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