ニュージーランド準備銀行は今年4回目の利下げ

  • マーケットレター
  • 2015年12月

今年4回目の利下げ

12月10日(現地、以下同様)、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)は政策金利を0.25%ポイント引き下げ、2.50%にすると発表しました。ブルームバーグの事前調査によると、エコノミストの約8割程度が0.25%ポイントの利下げを予想していました。

RBNZは2014年3月以降、4回連続で0.25%ポイントずつ、計1.00%ポイントの利上げを行い、政策金利を3.50%とした後、据え置きを続けてきました。その後、2015年6月に利下げを開始し、3回連続で0.25%ポイントずつ、計0.75%ポイントの利下げの後、前回10月は政策金利を据え置いていました。今回の利下げで、政策金利はリーマン・ショック後の最低水準である2.50%に戻る形となりました。

利下げの背景

RBNZは、声明文で、利下げの背景となった景気、物価、為替について、以下のように説明しています。

景気については、主要輸出品目である乳製品価格の下落などにより、2015年にかけて経済成長が鈍化したとしました。また失業率と余剰な生産能力の拡大の背景として、高水準の移民の純流入が続き労働供給が豊富であったことを指摘しました。一方で、輸出価格の回復や、信頼感の足元での改善、人口増加による内需の増加により、今後は成長が高まるとの見通しを示しました。

インフレ率については、これまでの通貨高と原油価格下落により、RBNZの目標値である1%~3%のレンジを下回っているとしました。今後は、足元の通貨安と前年比での原油価格下落の影響のはく落により、2016年初にレンジ内まで加速するとの見通しを示しました。

為替については、8月以降、ニュージーランド・ドルが上昇しており、持続可能な成長を支えるためには通貨のさらなる下落が適切であるとの見解を示しました。

乳製品価格の動向について

乳製品はニュージーランドの輸出額の約3割を占める主要品目で、景気などに影響を与えるためRBNZもその動向を注視しています。ニュージーランドの大手乳業会社が主催する毎月2回の乳製品オークションに基づいて算出された乳製品価格指数は、2014年初以降大幅に下落しました。直近の12月1日時点の指数は2013年の最高値比で58%下落となっています。

これまでの乳製品価格下落の背景としては、供給過多の需給構造が指摘できます。需要面では中国やロシアの輸入需要が低迷していることに加えて、供給面ではEU(欧州連合)が2015年4月より生乳クオータ(生産割当枠)制度を廃止し、生乳生産量を増やしたことから供給過多となったことが、価格下落につながったとみられています。乳製品価格は、歴史的な低水準にあり、今後の価格推移に注目が集まります。

今後の見通し

RBNZは声明文で、将来の平均的なインフレ率を確実にインフレ目標の中央値(2%)付近で推移させるために、金融政策は緩和的である必要があると述べ、現行の政策金利水準でインフレ目標が達成されると見込んでいるとしています。状況が正当化すれば、利下げを行うと述べていますが、前回までの明示的な緩和姿勢から様子見姿勢に移ったと判断されます。今後の乳製品価格の動向や、ニュージーランドでは今年発生しているエルニーニョ現象により、干ばつのリスクが高まっており、その国内経済への影響を見極めたいことが背景にあるとみられます。

乳製品価格が上昇すれば、ニュージーランド・ドル相場の支援材料となることが期待されます。また、利下げが実施されたものの、政策金利は2.50%、10年国債利回りは約3.5%と、金利水準は主要先進国に比べて相対的に高いため、海外投資家の資金流入がニュージーランド・ドルの下支えとして期待されます。

以上

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