ECBが追加緩和を実施

  • マーケットレター
  • 2015年12月

複数の手段で追加緩和を実施

ECB(欧州中央銀行)は12月3日(現地)の理事会で、前回10月の理事会で示唆していた通り、追加緩和を打ち出しました。内容は次の5つとなります。

①中銀預金金利(銀行がECBに余剰資金を預け入れた際に付す金利) を▲0.20%から▲0.30%へ引き下げ

②資産購入プログラムの期限を2017年3月まで延長

③資産購入プログラムにより保有する証券の償還金の再投資

④資産購入プログラムの購入対象証券に地方債を追加

⑤無制限資金供給オペを2017年末まで延長

また、これらの決定は全会一致ではなく、大多数の賛成によるものと説明されました。

市場の期待には及ばず

しかしながら、今回の追加緩和は市場の期待には及ばず、ECB理事会後に債券利回りやユーロは急上昇し、株価は急落しました。資産購入プログラムにおける月々の購入額が600億ユーロから増額されなかったことが最も失望を誘ったものと思われます。中銀預金金利についても、一部では、▲0.30%を下回る水準への引き下げが想定されていました。結果的には、市場の期待が高まり過ぎていたわけですが、この背景としては、ドラギ総裁がこれまで常に市場の期待を超える金融緩和を繰り出してきた経験則や、最近のドラギ総裁の発言が追加緩和への強い傾斜を示す内容であったことなどを指摘することができます。この日の市場の反応は、こうした期待に基づいてECB理事会を前に短期間で積み上がったポジションの巻き戻しが連鎖的に生じたもので、期待に対する未達の度合いをはるかに上回る極端な値動きに持続性はないと考えられます。

市場の失望をどう考えるかとの質問に対して、ドラギ総裁は、市場が政策を十分に理解するには時間を要すると回答しました。実際、市場が落ち着きを取り戻せば、資産購入プログラムが2%のインフレ目標の達成のために必要であれば期限を越えて実施し得る、すなわち実質的に無期限であることや、中銀預金金利をマイナス下でさらに引き下げた意義が評価される可能性が高いと考えます。また、インフレ見通しが今後もなかなか改善しない様であれば、追加緩和に反対していたドイツの姿勢も和らいでくるものと思われます。

今回の措置は適切としつつも、一段の追加緩和の可能性も

声明文には、今回の措置は緩和的な金融環境を確実にし、これまで採られた大規模な金融緩和の効果を強化し、ユーロ圏の景気回復の勢いと、最近の世界的な経済的ショックへの耐性を強めるものであること、また、物価動向を注視し、正当化されるならば、責務の範囲内であらゆる手段を用いて行動する意志と能力があり、とりわけ、資産購入プログラムは規模、構成、期間に関して十分な柔軟性を有することが記されています。ドラギ総裁は記者会見で、今回の措置が適切との見解を繰り返しつつも、政策手段は多様で、技術的な制約はなく、他の手段も排除しないと発言しており、今後のインフレ見通し次第では一段の追加緩和が講じられる余地は十分にあると思われます。

以上

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