パリ同時多発テロの欧州への影響について

  • マーケットレター
  • 2015年11月

マクロ経済への影響

11月13日夜(日本時間14日早朝)、フランスのパリで同時多発テロ事件が発生しました。これを受けて、フランス国内では非常事態が宣言され、大型施設の閉鎖も伝えられる中、当面は外出を控えたり観光客が減少したりする可能性があるなど、経済活動への直接的な影響が懸念されます。また、最近の移民の急増と相まって、広く欧州全域で国境管理が厳格化され物流の停滞を招く可能性や、あるいは第二のテロを警戒して企業と家計のセンチメントが悪化するなどの可能性も十分考えられます。

しかし、テロ事件が今回限りであれば、局所的な事象であるゆえ、欧州全体あるいはフランスにおいても、マクロ経済への悪影響は限られると考えられます。類似の事例として、2004年3月のマドリードや2005年7月のロンドンにおける爆破事件が挙げられますが、いずれもマクロ経済への悪影響は明示的には認められませんでした。

株式市場への影響

株式市場への影響も限定的で、マドリードの事例では約一カ月後に、ロンドンの事例では翌日にはそれぞれの国の株価指数は事件前の水準を取り戻しています。今回、週明けの株式市場はフランスでも小幅な低下にとどまり、欧州全体ではおおむね上昇しており、テロの影響は必ずしも認められません。ただし、欧州の債券利回りは低下気味で、ユーロも下落しており、ほぼ確実視されているECB(欧州中央銀行)の12月の追加緩和がより強化されるとの思惑が働き、それが株価を下支えた可能性があると考えられます。いずれにせよ、今回のテロを契機に株価 が調整色を強める公算は小さいと思われます。

政治的影響

政治面では、欧州各国で極右政党の勢いを助長させたり、移民に寛容なドイツのメルケル首相の立場を危うくしたり、英国のEU(欧州連合)からの脱退リスクを高めたりするなどの影響が考えられますが、その程度も現時点では限定的と思われます。逆に、G20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で確認された様に、テロとの戦いへの世界的な連帯が強まることが期待されます。

これらはテロ事件が今回限りとの前提での見通しですが、今後の動向については十分に注視していく必要があると考えています。

以上

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