ロシア・ルーブルの下落について

  • マーケットレター
  • 2014年12月

ロシア・ルーブル下落の背景

ロシア・ルーブルは、ウクライナ情勢に収束の兆しが見えないことや欧米の経済制裁による国内経済への悪影響が懸念されて年初より軟調な推移が続いてきました。加えて、足元では主要輸出品である原油の価格下落がロシア・ルーブルの下落に拍車をかけています。

原油価格は、中国の成長鈍化や欧州経済の停滞などの需要の減少に加えて、シェール革命による増産を受けた供給増加により低下基調となっていました。11月末に行われたOPEC(石油輸出国機構)総会で生産量の変更がなかったことで供給過剰が継続するとの懸念から原油価格は下落し、産油国通貨であるロシア・ルーブルにさらなる下落圧力がかかっています。

中央銀行の対応

ロシア中央銀行は、通貨下落と上昇するインフレへの警戒から政策金利の引き上げを続けてきました。

12月に入ってからも、11日(現地、以下同様)に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.0%ポイント引き上げ10.5%としました。しかし、原油安によりロシア・ルーブルへの下落圧力が続く中、市場では通貨下落防止のため、より大幅な政策金利の引き上げが期待されていたことから、失望感が高まりロシア・ルーブルにさらなる売り圧力が高まる展開となりました。

15日の商品市場において原油価格の下落が続いたことや米国がロシアに対して新たな経済制裁に踏み切るとの懸念を背景に、為替市場ではロシア・ルーブルへの売り圧力が急速に高まり、1日で対米ドルで10%程度の下落となりました。これを受けてロシア中央銀行は16日に政策金利を6.5%ポイント引き上げ17.0%とすると発表しました。

今後の為替見通し

今回、ロシア中央銀行が大幅利上げに踏み切り通貨下落を防止する強い意思を示したことでロシア・ルーブルの動きはいったん落ち着く可能性があると考えています。

しかし、ロシアの2014年7-9月期の経済成長率は欧米諸国の経済制裁の影響もあり前年同期比0.7%と低い水準にとどまっています。また、今後も原油価格の低下が続けば、景気はさらなる低迷が続く可能性が高く、こうしたロシア景気への悲観がロシア・ルーブル売り圧力を再燃させる可能性があります。

プーチン大統領は12月4日にロシア連邦議会で年次教書演説を行い、その中でウクライナ情勢についてロシア政府の行動の正当性を主張し、欧米諸国の制裁に対しては圧力に屈しないとし対立姿勢を崩していません。欧米諸国による追加の制裁が発動される懸念は払拭されておらず、ロシアへの投資環境は不安定な状況が続いています。ウクライナ問題をめぐる欧米諸国との政治的な対立が続く限り根源的な解決には遠いため、ロシア・ルーブルが落ち着くには今しばらくの時間がかかる可能性が高いと考えています。

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