堅調な原油相場に死角はないのか

  • Market Eyes
  • No.265

原油価格が堅調に推移

原油価格が堅調に推移している。【図表1】直近では昨年安値からの上昇率が5割を超えた。
昨年11月配信のNo.242より、筆者はWTIの想定レンジを40~60米ドルとしていた。12月末には42米ドルの安値を付け、想定レンジの下限を試した。しかし、その後は目立った調整もなく上昇を続け、想定レンジ上限の60米ドルを上回ると、さらに上げが加速している状況だ。

図表1 WTI原油先物価格推移のグラフ

背景にOPEC加盟国の極端な減産

力強い上昇の背景として、OPEC(石油輸出国機構)加盟国による大幅な減産がある。【図表2】 サウジアラビアだけでOPECの協調減産の目標を達成していることに加え、減産を猶予されているイラン・ベネズエラ・リビアは米国からの経済制裁や地政学リスクの高まりで意図せざる減産に追い込まれている格好だ。

図表2 OPEC加盟国の産油量推移のグラフ

原油価格の上昇は続くか

原油価格の上昇を妨げる要因が多く、上値余地は限定的と考える。ロシアが協調減産に非協力的な立場を示していることに加え、サウジアラビアも一段の減産には否定的な姿勢をとっており、6月のOPEC・OPECプラス会合に向けて協調体制の脆弱性が意識されやすくなるだろう。さらに、今年後半以降には米国の大幅増産が待ち構えている。また、原油価格に遅れてガソリン価格も上昇していることから、トランプ政権による原油高を抑制する動きが勢いを増してくると考えられる。【図表3】これらの要因を押しのけて原油価格が上昇し続けるのは、かなりハードルが高いだろう。
もし、足元の上昇モメンタムが継続し、WTIで70米ドルを超えるような動きになれば、今度は昨年後半のような大幅下落への警戒を強めないといけなくなるだろう。

図表3 米国のレギュラーガソリン価格推移のグラフ
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