中国全人代開幕、高まる景気底入れへの期待

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  • No.256

中国で全人代が開幕

3月5日、中国で全人代(全国人民代表大会)が開幕した。昨年から中国経済や米中関係の動向に金融市場が一喜一憂してきただけに、今年の全人代は特に注目度が増していた。
冒頭に発表された政府活動報告等にサプライズはなかったが、昨年の構造改革を強調した内容から、今年は景気安定化に軸足を移す方針が改めて確認された。

成長率目標は6~6.5%

今年の成長率目標は「6~6.5%」と表明された。【図表1】
目標をレンジで示すのは2016年以来であり、それだけ不確実性が高いことのあらわれだろう。もっとも、事前に政府系シンクタンクである中国社会科学院が6~6.5%の成長率を予測していたこともあり、想定通りである。

図表1中国実質GDP成長率のグラフ 前年比 2012年から2019年 目標値と実績値

政府は景気下支えのために財政赤字を拡大させる方針だ。今年の予算では財政赤字が対名目GDP比で2.8%と、昨年の2.6%から引き上げられた。

製造業と小企業・零細企業の支援に重点

企業向けの政策では、製造業と小企業・零細企業の支援に重点が置かれる。これらは米中貿易戦争の影響もあり、特に景況感が悪化している企業である。【図表2】

図表2 中国の製造業PMIのグラフ 2012年1月から2019年2月

具体的には、増値税(付加価値税)改革を深化させ、製造業の税率を現行の16%から13%に引き下げることなどが発表された。また、中小銀行を対象とした預金準備率がさらに引き下げられ、その分の自由になった資金がすべて民営企業や小企業・零細企業に融資されるようにするとのことである。【図表3】
自動車などの消費刺激策への言及もあったが、まだ策定には至っていないようだ。

図表3 中国の預金準備率のグラフ 2012年1月から2019年3月5日 大手銀行と中小銀行

米中協議は大詰め、景気底入れ確認へ

米中協議は3月1日の期限を延長し、交渉が続いている。一部報道によると、今月下旬にも米中首脳会談を開く方向で調整が進んでいるとのことである。
足元では、米中協議の合意期待や全人代での景気刺激策公表への期待などから、世界的に株価が戻りを試している。特に中国株の上昇が顕著である。【図表4】
これまでは期待主導で上がってきただけに、今後は、本当に米中が合意するのか、そして中国景気が底入れするのかを見極める時間帯に入ってくるだろう。

図表4 上海総合指数 2012年1月から2019年3月5日
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