日本株が出遅れを埋めるためには

  • Market Eyes
  • No.253

日本株の出遅れが目立つ

昨年末の世界的な株価急落から足元の反発局面において、米国株に比べて日本株の出遅れ(乖離)が目立っている。【図表1】S&P500は昨秋の高値から19.8%下落し、直近で7割近く戻している。一方、TOPIXは昨秋の高値から22.4%下落し、戻りも4割弱にとどまっている。

 【図表1】 S&P500とTOPIXのグラフ

出遅れには理由がある。日本株の下落率が大きかったのは、日本企業の方が世界的な景気減速の影響を受けやすいことが主因だと考えられる。また、日本株の戻りが鈍いのは、中央銀行による政策余地の違いが主因だと考えられる。日銀による政策余地が限られることに鑑みれば、日本株が米国株に対する出遅れを埋めるためには、世界的な景気減速懸念(不確実性)の後退が必要だろう。【図表2】

【図表2】世界の経済政策不確実指数 のグラフ

政治イベントの無難な通過が焦点

景気減速懸念が和らぐためには、ひとまず3月までの重要な政治イベントを通過する必要があるだろう。【図表3】特に、3月1日に交渉期限を迎える米中協議の動向が注目される。米中は2月11日から次官級の協議を開いており、14日から15日には閣僚級の協議が開かれる予定である。米国が3月2日に2,000億米ドル分の中国製品に対する制裁関税を10%から25%に引き上げるかどうかは、この閣僚級の協議次第だといっても過言ではない。市場では、何らかの合意に達するか協議を延長するというかたちで、関税引き上げは回避されるとの見方が優勢のようだ。もっとも、米中の覇権争いがこれで収束するとは考え難い。また、英国のEU(欧州連合)離脱期限も3月29日に迫っている。英国とEUとの隔たりは大きく、早期の合意に至る可能性は低い。しかし、お互いに合意なき離脱は回避したいとの認識は一致しているようで、期限延長で折り合う公算が大きい。

 【図表3】目先の主な政治イベントの表

上記イベントの結論は結局のところ「先延ばし」になる可能性が高い。ただ、米中の交渉決裂や英国の合意なき離脱といった最悪の事態が回避されることになれば、ひとまず日本株を買戻す動きが想定される。多少は日本株が米国株に対する出遅れを埋める方向に進むことが期待されよう。

本格上昇にはまだ時間がかかる公算

No.248「日本株、業績見通しの下方修正リスクは高まるが・・・」で述べた通り、本格的な株価上昇のためには業績見通しの下方修正が止まる必要があり、日本株はまだ底値固めの時間帯だと考えている。【図表4】目先は世界経済の先行きを左右しかねない政治イベントに注意しつつ、来るべき日本株本格上昇のタイミングをじっくりと待ちたい。

【図表4】TOPIXと予想EPS・予想PERのグラフ
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