内需拡大で安定成長をめざす中国経済

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  • No.250

2018年は6.6%成長

中国の2018年10-12月期の実質GDPは前年同期比+6.4%となり、2018年通年では前年比+6.6%での着地となった。【図表1】各種報道では28年ぶりの低成長などと中国経済の減速ぶりを強調するような伝えられ方をしているように見受けられる。しかし、輸出や投資に頼った高成長から個人消費など内需中心の持続可能な成長に向けて進んでいるととらえることもできよう。

【図表1】中国の実質GDP成長率

外部要因による下押し圧力が強まる

対米関係をはじめとした外部要因によって、中国経済には下押し圧力がかかっている。昨年は純輸出が実質GDP成長率に対してマイナスに寄与した。【図表2】今後の米中交渉の合意有無にかかわらず、当面は純輸出が成長率を下押しする可能性が高い。なぜなら、もし交渉に合意できなければ、追加関税を課されることで輸出が減少することが予想され、逆に合意できれば、それは米国からの輸入拡⼤(対米貿易収支の均衡)を約束することを意味するからである。したがって、外需の下押しに対して、内需の拡⼤が成長を下支えできるかが重要となる。

【図表2】中国の実質GDP成長率の寄与度

安定成長に向けた内需の下支え策

昨年12月に開催された中央経済工作会議では、「外部環境は複雑で厳しく、経済は下押し圧力に直面している」との現状認識のもと、安定的な経済成長を支援するために、緩和気味な金融政策と積極的な財政政策による内需拡⼤方針が示された。

金融面では、昨年は預金準備率が2.5%ポイント引き下げられたが、今年もすでに1.0%ポイントの引き下げなどが発表されている。【図表3】また、原油価格の下落などを背景に物価上昇率が低位で推移しており、さらなる金融緩和を進めやすい環境にもある。

【図表3】中国の預金準備率

財政面では、所得税減税や中小企業を中心とした減税など、雇用の安定や消費の拡⼤を促す措置が見受けられる。なお、昨年の小売売上高の減速は自動車など一部の財の消費が落ち込んだ影響が⼤きい。【図表4】そのため、3月の全国人民代表⼤会に向けて、これらの消費を喚起する政策が具体化することが期待される。

【図表4】中国の小売売上高

減速はするが、腰折れは防げる見通し

今年も中国経済の減速は避けられないとみるものの、政策対応によって景気の腰折れ(成長率の急減速)は避けられると考えている。中国経済の安定は世界経済の安定にもつながるため、今後も米中交渉の進展と中国の安定成長に向けた政策対応が金融市場の関心事となるだろう。

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