ロシア銀行の柔軟な政策運営に安心感

  • Market Eyes
  • No.317

大幅利下げに加え追加利下げを示唆

6月19日、ロシア銀行(中央銀行)は市場予想通り政策金利を5.50%から4.50%に引き下げることを発表した。【図表1】さらに、来年にはインフレ率が目標の4%を大幅に下回るリスクに言及し、前回の声明文と同様に「状況がベースラインの予測に沿って進展すれば、ロシア銀行は今後の会合で更なる利下げの必要性を検討する」との文言により、追加利下げの可能性を示唆している。

図表1 ロシアの政策金利とCPI (政策金利:2014年1月初から2020年6月19日)(CPI:2014年1月から2020年5月)

中銀は為替・インフレの動向に柔軟

ロシア銀行は、昨年6月から今年2月まで6会合連続で利下げを実施してきたが、3月の原油価格急落などを背景とした急速なロシア・ルーブル安を受けてインフレ懸念が高まったとし、3月会合では政策金利を据え置いた。【図表2】その後、ルーブルが反発する中でインフレへの懸念が和らぎ、4月会合では0.50%ポイントの利下げ、そして、6月会合では逆にディスインフレ懸念への対処として1.00%ポイントの利下げに踏み切った。このように、為替・インフレの動向をにらみながら、柔軟に政策を変更することは、為替レートの安定に寄与すると期待される。

図表2 原油価格とロシア・ルーブル (2020年1月初から2020年6月19日)

ルーブルの緩やかな上昇に期待

ロシア銀行は、ウラル産原油価格がおよそ42米ドル/バレル(今年の財政均衡価格)を下回る時に外貨売り・ルーブル買いを実施してきた。【図表3】直近のウラル産原油は43米ドル前後で推移しており、ルーブルが最も上昇しやすい局面は終わりつつある。しかし、原油価格が底堅く推移する中では、ルーブルが大きく売られる可能性も低い。また、通貨安・インフレへの懸念に対するロシア銀行の柔軟な金融政策運営は市場参加者に安心感を与え、海外からロシア債券市場への資金流入がルーブルを緩やかに押し上げると想定する。

(調査部投資戦略課岩手幸久)

図表3 ロシア銀行による外貨買い・売りと原油価格 (2017年1月初から2020年6月18日)
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