原油価格が再び暴落する可能性はあるのか

  • Market Eyes
  • No.316

米国の原油在庫は増加傾向が継続

EIA(米国エネルギー情報局)が公表している週間在庫統計によると、米国の原油在庫はまだ増加傾向が続いていることが分かる。【図表1】加えて、米国では局所的に新型コロナウイルスの感染第2波が顕在化しており、一部で原油価格が再び暴落するリスクを指摘する声も出ている。

図表1 米国の原油在庫(1月第1週から12月最終週)

輸出と輸入のタイミングが問題

米国では産油量の減少と原油需要の回復が続いている。その中で在庫が未だに増加しているのは、主に、新型コロナウイルス問題で輸出が減ったことに加え、サウジアラビアなどが減産する前に出荷した原油が時間をかけて米国の港に着いたことで輸入が増えたためだ。【図表2】これは輸出と輸入のタイミングの問題であり、今後は輸入も減少することで、両者の乖離は再び縮まるだろう。
実際、足元では主に沿岸部で在庫が増え、WTI原油の受け渡し拠点で内陸に位置しているオクラホマ州クッシングなどの在庫は減少している。【図表3】米国全体で在庫が増えていようとも、沿岸部の方が貯蔵施設の容量が圧倒的に多いことを考えれば、現時点では今年4月のように貯蔵施設の限界を意識するような状況ではないと言える。

図表2 米国の原油輸入量・輸出量(2014年1月第1週から2020年6月第2週)
図表3 米国のオクラホマ州クッシングの原油在庫 (2020年1月17日から2020年6月12日、週次)

暴落の可能性はかなり低い

新型コロナウイルスの感染第2波はあくまでも局所的な問題であって、再び世界同時的に原油需要が喪失する局面がやってくる可能性は低いだろう。もちろん、すぐに新型コロナウイルス問題前のような経済環境に戻ることはできないが、人類が新型コロナウイルスとの付き合い方を把握したことで、同問題の最悪期のような経済状態に戻ることもないと思われる。
したがって、原油価格が再び暴落する可能性は、ゼロとは言えないものの、かなり低いと言える。

(調査部投資戦略課岩手幸久)

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