楽観的な見方が少ない豪ドルに上昇余地あり

  • Market Eyes
  • No.314

豪ドルは年初の水準を回復

豪ドルは、対米ドルで年初から最大18%下落したが、直近では年初の水準を回復するまで買い戻された。【図表1】豪ドルが急反発した主因は、世界経済の回復期待と説明されることが多い。しかし、今後は景気回復期待よりも、債券市場の変化が豪ドル買いの主因になってくるのではないか。

図表1 豪州の株価指数と為替レート(2020年1月初から2020年6月10日)
(出所)ブルームバーグ

コロナ前後で債券市場に大きな変化

豪州の長期金利は、新型コロナウイルス問題で金融市場が著しいリスクオフに見舞われる前までは米国やカナダに比べて低位で推移していたが、4月以降は最も高位で推移している。【図表2】
FRB(米国連邦準備制度理事会)は少なくとも今後数カ月は最低800億米ドル/月のペースで国債を購入し、カナダ銀行も当面は最低50億加ドル/週のペースで国債を購入する模様だ。一方、RBAは5月4日を最後に国債の購入を見送っている。中銀の政策は明確に異なっており、豪州の長期金利は今後も相対的に高位で推移する公算が大きい。

図表2 豪州・米国・カナダの長期金利(2020年1月初から2020年6月10日)
(出所)ブルームバーグ

豪ドルに楽観的な見方は少ない

3月から大きく反発してきた豪ドルだが、市場参加者に強気な見方は少ないように感じる。加えて、豪米長期金利差と連動してきた投機筋(非商業部門)の豪ドル先物ポジションは依然として売り越し状態であり【図表3】、機関投資家の豪ドルポジションなどもあまり積み上がっていない。
背景として、ボラティリティを示す指標が高止まりしているなど、金融市場がまだ「平常時」に戻っていないことが考えられる。今後、金融市場が一段と落ち着きを取り戻せば、金利差に着目したトレードが活発化し、先進国の中で相対的に金利の高い豪ドルは買われやすい通貨になるだろう。楽観的な見方が少ない豪ドルだからこそ、まだ上昇する余地があると考えている。

(調査部投資戦略課岩手幸久)

図表3 豪米長期金利差と豪ドル先物ポジション(金利差:2016年1月1日から2020年6月10日、日次)(ポジション:2016年1月5日から2020年6月2日、週次)
(出所)ブルームバーグより大和アセットマネジメント作成
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