在庫の減少を先取りした原油価格の今後

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  • No.313

6月から需要超過の見通しに前倒し

EIA(米国エネルギー情報局)は6月9日に最新の月報を公表し、今年6月と7月の原油需要見通しを上方修正するとともに、供給見通しを下方修正した。需要は従前の想定よりも経済活動の再開が早いこと、供給はOPECプラスの協調減産の効果を再評価したこと、などが影響している。その結果、前月の月報では7月から需要超過に転じる見通しだったが、最新の月報では6月から需要超過に転じる見通しに前倒しされた。【図表1】

図表1 世界の原油需要と供給 (2012年1月から2021年12月)

在庫の減少を先取りする原油価格

同時に、前月の月報ではOECD加盟国の商業用原油在庫は6月をピークに7月から減少に転じる見通しになっていたが、最新の月報では5月をピークに6月から減少に転じる見通しに修正された。【図表2】もっとも、原油価格はすでに在庫が減少する見通しを織り込んで上昇してきたといえる。
また、今年春の原油価格急落を受けて、原油ETFへの資金流入が急増した。【図表3】今後はこれらの利益確定売りをこなす必要があり、原油価格の上値は重くなりやすい。

図表2 OECD加盟国の商業用原油在庫と原油価格(原油在庫:2012年1月末から2021年12月末)	(原油価格:2012年1月初から2020年6月9日)
図表3 日米の原油ETFの時価総額 (2012年1月初から2020年6月9日)

OPECプラスの協調で下値も堅い

一方、OPECプラスの協調体制は強固になったように感じる。シェア争いを続けるより協調減産をした方が経済合理性が高いことを再認識したのだろう。例えば、減産せずに20米ドルよりも、2割減産して40米ドルの方が収益が大きいということだ。また、テレビ会議の実施で柔軟な対応を取れるようになったこともコロナ禍の副産物だ。
目先、原油価格は上値の重い展開が想定されるが、再び需要が喪失しない限り大きく下落するリスクも低く、当社では引き続きWTI原油先物価格が年末までに40米ドルを回復すると見込んでいる。
(調査部投資戦略課岩手幸久)

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