ロシア・ルーブルが堅調な背景と今後の展開

  • Market Eyes
  • No.306

ロシア・ルーブルは安値から反発

年初から新型コロナウイルス問題による原油需要の落ち込みやOPECプラスによる協調減産の決裂などを受けて原油価格が大きく下落し、3月半ばにかけてはロシア・ルーブルも対米ドルで大きく減価した。【図表1】
しかし、過去1カ月程度は原油価格が安値を試す展開が続いているにも関わらず、ルーブルが堅調に推移している。

図表1 原油価格とロシア・ルーブルの推移のグラフ(2020年1月初~2020年4月27日)
(出所)ブルームバーグ

背景には複合的な要因

背景には様々な要因がある。FRB(米国連邦準備制度理事会)が米ドルの流動性供給策を実施し、米ドルの需給ひっ迫が和らいだことも一因だろう。
しかし、4月も対米ドルで安値を更新する新興国通貨が多い中、ルーブルが堅調なのは個別の要因もある。考えられるのは、①ロシア中銀が通貨安によるインフレを懸念し相対的に慎重な利下げスタンスであること、②ロシアの外貨準備高は潤沢で相対的に対外脆弱性が低いこと【図表2】、③ウラル産原油価格がおよそ42米ドル/バレル(今年の財政均衡価格)を下回る局面ではロシア中銀による外貨売り・ルーブル買いが実施されていること【図表3】、などである。

図表2 ロシアの対外債務と外貨準備高の推移のグラフ(対外債務は2014年1-3月期から2019年10-12月期)(外貨準備高は2014年1月3日から2020年4月17日、週次)
(出所)ブルームバーグ
図表3 ロシア中銀による外貨買い・売りと原油価格の推移のグラフ(2017年1月初から2020年4月24日)
(出所)ブルームバーグ

当面はルーブルの堅調推移が続こう

①と②は今後もルーブルの「下支え要因」となろう。そして、③の原油価格との関係性がルーブルを「押し上げる要因」として期待される。当社では新型コロナウイルス問題が収束することで原油需要が回復し、原油価格が年末にかけて上昇する展開を想定している。この間は、原油価格の上昇に反応した機械的なルーブル買いと前述の当局による外貨売り・ルーブル買いが合わさり、ルーブルが上昇しやすい局面だと考えている。当面は新興国通貨の中でルーブルの堅調さが続くだろう。

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