それでも原油価格の上値は重い

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  • No.305

OPECプラスは協調減産幅を拡大

12月5日のOPEC(石油輸出国機構)総会と翌6日のOPECプラス会合では、2020年1月から協調減産幅を従来よりも日量50万バレル拡大することで合意に至った。だが、OPECプラスの産油量は協調減産における従来の目標産油量をすでに日量50万バレル超下回っている。【図表1】

また、サウジアラビアは、他の加盟国が減産目標を完全に履行することを条件として、自主的に日量40万バレルの追加減産を継続すると表明した。しかし、イラクなどは目標を順守しない状況が常態化しており、それをサウジアラビアが補うという構図は変わりそうにない。結局、OPECプラス全体の産油量がこれまでの実績から顕著に減少する可能性は低く、早くも次回3月5日と6日の会合で減産期間が延長されるかに焦点が移りつつある。

図表1 OPECプラスの産油量と目標産油量(2019年1月~2020年3月)

需給バランスは依然として供給超過

EIA(米国エネルギー情報局)は12月10日に公表した月次の短期エネルギー見通しで、OPECプラス会合の結果などを反映して、2020年の世界の産油量見通しを前月から日量15万バレル引き下げた。消費量の見通しはほぼ変化なく、需給バランスの見通しは前月より改善した。しかし、依然としておおむね供給超過で推移するとの見通しで、需給バランスの観点からは原油価格の上値は抑えられやすい状況が続きそうだ。【図表2】

図表2 原油の需給バランスと原油価格(2014年1月~2020年12月)

原油価格の大幅変動リスクは小さい

原油価格が上昇すれば、協調減産延長に対する各国の動機が薄れるため、原油価格の上値は重くなる。逆に原油価格が下落すれば、協調減産の延長や減産幅の拡大を強いられることになるだろう。次回会合がわずか3カ月後に設定されたため、原油価格が一方向に大きく動くリスクは小さそうだ。 WTI原油先物価格は50米ドル/バレル台を中心とした推移が継続すると予想する。【図表3】

図表3 WTI原油先物価格(2017年1月初~2019年12月10日)
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