金融相場だから高いPERは許容される

  • Market Eyes
  • No.303

米国株のPERが高いのは当然

米国株のPER(株価収益率)の高さを懸念する声を多く聞くが、金融相場特有の現象であり、過度に懸念する必要はないだろう。現在は名目GDP成長率よりもマネー(M2)の伸び率が高い、いわゆる「金余り」の状態である。【図表1】
株価が急落した昨年末は、名目GDP成長率よりもM2の伸び率が低い「金不足」の状態にあり、なおかつマネーの伸びが鈍化する中で景気がピークアウトするという株式市場にとっての悪条件が重なった。現在は成長率が鈍化する中で、M2の伸び率が加速している典型的な金融相場である。

図表1 米国のM2伸び率と名目GDP成長率

株価は上昇しやすい局面

金余り状態から考えられる展開はおおむね2つだ。ひとつは、マネーが実体経済に向かって景気を押し上げることであり、もうひとつは、マネーが金融市場に向かってリスク資産の価格を押し上げることである。
株式市場でいえば、前者はEPS(1株当たり利益)の拡大につながり、後者はPERの上昇につながる、ということだ。いずれにしても株価は上昇しやすい局面にあるととらえることができる。【図表2】

図表2 米国のM2伸び率とS&P500騰落率

さらに金余りが加速する

今後数カ月は、M2の伸び率が加速する一方、名目GDP成長率は明確な改善を見せないだろう。そのため、M2の伸び率から名目GDP成長率を引いた過剰流動性は加速する公算が大きく、過去の連動性から考えれば予想PERが大幅に低下する可能性は低いといえそうだ。【図表3】
株式市場の日々の値動きは米中関係の動向などに振らされることが想定されるものの、マネーとの関係から見て、数カ月単位では株高基調で推移することが期待できよう。

図表3 過剰流動性の伸び率と予想PERの変化
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